■“保全命令”が出されたわけ
1年が経過した現在もこの事件は解決していない。
「7月20日に東京家裁で、福原さんに“保全命令”が出ました。“保全命令”とは、暫定的な措置を講じる制度で、判決が出るまで一旦すぐに子供を台湾にいる元夫へ引き渡すようにという命令です。
即急に対応しなければ、子供の体が危険な状態にさらされてしまうなどの緊急性が認められた際に出されるものです。
今回のケースでは、福原さんと一緒に長男が他国に出国してしまい、江さんと会えなくなってしまう可能性も考慮して出されたのではないでしょうか」(全国紙記者)
実際、江氏は会見で福原がこの1年間で複数回シンガポールを子連れで訪れていたと語っている。
「今回“保全命令”が出たものの、福原さんから引き渡しに応じるという連絡がなかったため江さんは日本で緊急会見を開くことにしたそうです。会見で大渕弁護士も、『通常の審判に加えて保全の命令も出されました。ただちに子供を引き渡すように保全の命令が出されることは非常に珍しいです』と言って、一刻も早く、長男を引き渡すように求めていました」(前出・全国紙記者)
福原が長男と暮らす大義名分を、国際離婚に詳しいデイライト法律事務所の本村安宏弁護士はこう推察する。
「たいていの場合、弁護士は面会交流の際に約束どおり子供を返さなかったら、大変なことになると伝え、必ず返しましょうと話します。ただ虐待などの事実がある場合は、子供を返さないことについて正当な理由があると評価されることもあります。
福原さんが東京家裁に単独親権になるように、親権者の指定の申し立てをしたと会見で明かされています。
このことから考えるに、福原さん側としては“正当な理由がある”のだと主張しているのではないでしょうか。具体的なことはわかりませんが、子供を返さず留めおいている理由を裁判所に伝えたものの退けられているのでしょう」
会見前日には、自身のSNSで江氏が会見を開くことに強く抗議していた福原。
会見後にも、福原は日本の裁判所の判決について、SNSを通じてこう主張している。
《日本の審判はあくまで一審の裁判であり、事実関係について最終的な判断はされていません。また、主張立証責任の分配の問題があり、司法的に家庭の問題の真実が全て明らかになるわけではありません》
また渦中にある子供のことも心配しているという。
《公衆の面前で国際記者会見を開くことは、高度な紛争を引き起こすだけでなく、意図的に両親と子どもの関係を引き裂き、子どもに悲しい思いをさせ、別離を引き起こすものであり、子どもに対する家庭内暴力の一種です》