■「冷たいご飯とぬっるい味噌汁におかずの定食を、4年間食べ続けた」
そんななか、YouTuberとしての活動を開始。当初は学生時代からの特技だったヒューマンビートボックスの動画をアップしていた。
「寮の壁が薄くて音が筒抜けなので、ヒカキンさんはユニットバスに籠って窮屈な姿勢で動画を撮っていたといいます。またYouTuber1年目はビデオやパソコンといった機材を買ったため、翌年以降はひたすら貯金に専念したそうです」(前出・エンタメ誌ライター)
YouTuberとして活動を始めたことで、さらに赤貧生活を送ることとなったヒカキン。食費をとことん削ることにし、《朝ごはんは、コンビニの肉まん1個。昼と夜は、社食で一番安い200円の定食と決めていました。冷たいご飯とぬっるい味噌汁におかずの定食を、4年間食べ続けた》(「日興フロッギー」’18.05.03)と明かしている。
そんななか、下積み生活をひたすら耐え抜いたヒカキンに’10年6月、転機が訪れる。人気ゲーム『スーパーマリオ』の音楽をビートボックスで表現した「Super Mario Beatbox」の動画を投稿したところ、1週間で100万アクセスを突破。さらにアメリカの『CBS News』でも報じられ、一躍脚光を浴びることに。
「Super Mario Beatbox」から10年目の’20年6月、ヒカキンはTwitterで《当時はスーパーの店員で、この動画は社員寮で撮影してました。投稿してすぐ世界中でバズってメールが2万件くらい来て震えたあの感覚は今でも忘れません》と綴っている。
「世界的なブレイクをきっかけに、ヒカキンさんの“YouTuber魂”に火が付き、『もっとYouTuberとして活躍したい』と考えるようになりました。そこでビートボックスだけでなく、様々な種類の動画を公開することに。それにあたり国内外のYouTuberをとことん研究していった結果、会社員としての給料を優に超えるほど稼げるようになり、のちにスーパーの仕事を退職しました。
YouTuberに専念することで金銭的な面はもちろんのこと、仕事の幅も広がっていきました。当初は動画配信だけでしたが、メディアに登場したり、エアロスミスやアリアナ・グランデといった人気アーティストと共演したり。また今年5月には制作に1年かけるほどこだわったカップラーメン『みそきん』を発売し、即完売となりました」(前出・エンタメ誌ライター)
“好き”を職業にし、YouTuberドリームを叶えたヒカキン。苦しい日々を糧に、これからも魅力的な動画を投稿してくれるだろう。