「赤が好きなのかしらね」
「義理の娘さんのために作ったのかしら」
イベントにおとずれていた女性たちの視線の先には、多数の布が縫い合わされてできた縦40×横48センチの赤いマザーズバッグ。製作したのは百恵さん(64)だ。横にはキルト仲間による一回り小さい色違いのバッグも並んで展示されていた。
’87年から36年にわたってキルトを製作し続けている百恵さん。彼女の最新作が、11月下旬に東京都国立市で開催されたキルト教室「キルトおぶはーと」の展示会で披露されていたのだ。
今回、マザーズバッグを作る際に使用された布は特別なもののようだ。キルト教室に通っていた生徒は明かす
「長年キルトを作ってきたなかで、友人たちからもらったプリント布を再利用したそうです。縫うときにはその時々の思い出がよみがえってきたといいます」
夫・三浦友和(71)に半纏を贈るためにキルトを始めて以降、家族のために縫い続けてきた百恵さん。今回の再生キルトバッグを渡す相手とはーー。
「長男・祐太朗さん(39)のお嫁さんである牧野由依さん(37)ではないでしょうか。1歳のお孫さんと一緒に公園に行くときなどに利用してもらえればと思っていることでしょう」(芸能関係者)
再生キルトバッグにはある願いが託されているようだ。芸能関係者は続ける。
「百恵さんは、母子家庭で育ち、決して裕福ではない幼少期を過ごしました。お母さまからは『1円を笑うものは1円に泣く』と伝えられていたといいます。
今回の再生キルトバッグは、お嫁さんにお母さまからの教えを受け継いでほしいという思いが込められているのではないでしょうか」
百恵さんが引退後の’81年に出版した自叙伝『蒼い時』(集英社)でも、
《無駄にお金を使うことほど、馬鹿なことはない》
とつづられていた。
そんな彼女の倹約の精神は長男の嫁に伝わっているようだ。牧野の知人は明かす。
「牧野さんも日ごろからあまり無駄遣いはしません。ハイブランドの服などはあまり着ないで、普段着としてユニクロなどの服を愛用しています。9月にiPhoneの画面を割ってしまったときは、嘆き悲しんでいましたね。
また娘さんの1歳の誕生日にプレゼントしたファーストシューズは牧野さんが手作りしたもの。
どんなに高価なものよりも、愛情のこもった贈り物がいちばんということを理解しているそうです」
代々受け継がれていく倹約の教え。いつの日か孫娘にも伝わっていくことだろうーー。