12月17日、大河ドラマ『どうする家康』が最終回を迎えた。全48回の平均世帯視聴率が11.2%となったものの、根強い人気を誇り、Xでは《どうする家康が終わりロスがすごい》《どうする家康ロスで、情緒不安定に陥ってる》《どうする家康ロスしてます めっちゃくちゃ面白かった!》とロスを訴える声も後を絶たない。
‘63年の『花の生涯』以来、60年にわたって日本を代表するドラマ枠となった大河ドラマ。近年はCGやVFX(視覚効果)などを駆使し、新たな映像表現に挑戦するなど、数々の作品が視聴者を楽しませている。
しかし、なかには視聴者に受け入れられない作品があるのも事実。いったいどのような作品が、視聴者に評価されるのだろうか? 本誌は’11年以降に放送された大河について、「面白かった」「つまらなかった」と感じた作品について、20歳以上の500人を対象にアンケートを実施した。今回は「面白かった」大河ドラマについての結果を公表する。
3位に選ばれたのは’16年の『真田丸』。三谷幸喜氏(62)が脚本を務め、堺雅人(50)が主人公の真田信繁(幸村)を演じた。幸村が戦国の乱世のなかで成長し、最強の砦「真田丸」を大坂の陣で作り上げるまでを描いた作品だ。
そんな『真田丸』は三谷氏の脚本の評判が良く、《脚本が面白い》《ストーリーが面白かった》との感想のほか、堺の演技も好評で《堺雅人が見事に演じて毎週、楽しみだった》《役者さんの演技が配役にピッタリとハマって、臨場感溢れる展開が面白かった》といった声が寄せられた。
幸村を演じるにあたり、《(三谷から)あと10パーセントぐらい現場の空気に身を任せてみたら」というアドバイスをいただきました。10パーセントという数字が、「好きにやって」と言われるよりも難しかった》(「エンタメOVO」2016年12月18日)と明かしている堺。演じることの苦悩が、作品の評価に繋がったのかもしれない。
続いて2位は、こちらも三谷氏が脚本を務めた’22年の『鎌倉殿の13人』。同作は平安時代後期から鎌倉時代前期を舞台に、北条義時が武士の頂点に上り詰めていくというストーリーだ。
北条義時を演じた小栗旬(40)のほかに新垣結衣(35)や小池栄子(43)、西田敏行(76)や大泉洋(50)などそうそうたるキャストが揃ったこともあり、《俳優みんなの演技がうまかった。真面目な部分と笑わせる部分のメリハリがあって、泣かせる時は本当に泣いた》《キャストの方が良かった》とキャスティングを絶賛する人が多かった。
また、話についても見ごたえがあると感じた人が続出。特に、姉である北条政子のそばで義時が息を引き取るという衝撃的なラストシーンがSNS上では《想像をはるかに超えてた》《喪失感半端ない》と大きな注目を集めることに。
そのため、アンケートでも《最終回のバッドエンディングが想像を超えるストーリーで三谷幸喜の脚本の素晴らしさや新しい切り口で今後の大河にも影響を及ぼしている》との声が。三谷氏は’22年12月に放送された『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM)で「ラストシーンを見た後、放心していた」と話していたが、仕掛けた本人ですらも衝撃展開に圧倒されたようだ。
そして1位に輝いたのは、今年度の『どうする家康』だ。小国に生まれた徳川家康が、争いの世で苦闘しながらも江戸幕府を開くというストーリーの同作。脚本を『リーガル・ハイ』シリーズで知られる古沢良太氏(50)が手掛け、主人公の徳川家康を松本潤(40)が演じている。
家康が成長していくにつれ、松本の演技に磨きがかかっていった本作。従来の”松潤”像から脱却したようで、《松潤の演技が魅力的だった》《家康が苦悩する様子はよかった》という声が相次ぎ、松本にとっても新たなステップとなったようだ。
また古沢氏の脚本も人気の一因となっており、《大河ドラマ初心者向けでわかりやすかった》《家康だけでなく、色々な武将が今までと違う形で描かれていた》《登場人物のキャラクターが生々しくて良かった》といった感想が寄せられた。
松本は《古沢さんの脚本は視聴者の意表を突くような仕掛けや感動させるポイントがあり、今作も上手い仕掛けが随所に出てくる》(「modelpress」’23.01.08)と絶賛し、古沢も松本に対して《とても誠実なお芝居をされる方だなと感じました》《自分がやらなければならないことや、求められていることを俯瞰でしっかりと把握して、それを一生懸命実現しようとしているという印象を強く感じました》(「ステラnet」’23.01.06)と述べている。2人の相思相愛ぶりが、作品にいいケミストリーを生んだのかもしれない。