■「原作の先生がどう思ったかは、脚本家としてめちゃくちゃ気になる」
また、脚本を作っていく中でのやり取りについては、《脚本家からしたら、プロデューサーが話す「原作サイドがこう言ってた」が全てになります。私自身も過去に、話がどうにも通じなくて「原作の先生は、正確にはどう言ってたんですか?」と詰め寄ったり、しまいには「私が直接会いに行って話していいですか!?」と言って、止められたことがあります》と、脚本家が直接原作者と意思疎通できるわけではないことも解説。
また、プロデューサーも原作者と直接コミュニケーションをとっているとは限らず、出版社の担当者等を通じた《伝言の伝言》になるため、誤解や齟齬が生じることもあるという。
そのため《個人的には、先生からのご指摘や感想のお手紙(メールなど)が脚本家に直接開示される状態のほうが、誤解や齟齬が少ないし、安心だなと思えます》とし、《原作の先生がどう思ったかは、脚本家としてめちゃくちゃ気になることなので。原作がある作品に携わっている多くの脚本家は、ほとんどがそういう気持ちなんじゃないかなと思います》と脚本家としての思いを述べた。
また、《過去に自分が関わった作品のチームの話になりますが、プロデューサーも私も監督も、原作の先生が喜んでくださったり、褒めてくださったりするだけで、大喜びしていました。ご意見にも一喜一憂していました。演じる役者さんも、原作者さんがどう思われているのか、とても気にします》と制作に関わる全員が原作者に敬意を払っている現場があったことも明かした。
それでも、《ドラマ・映画制作は集団作業なので、少しのかけ違いや様々な要因でうまくいかないこともたくさんあります。これは原作もの/オリジナルに関わらず、難しいなと常々思わされている点です》と映像制作の難しさにも言及している。
