元プラマイ岩橋、交野市長が告発の“お笑いコンクールのヤラセ疑惑” 審査員長は困惑「真っ向から否定させていただきたい」
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■前田氏は山本市長の証言に徹底反論

 

さらに本誌は、“渦中の人”である放送作家の前田政二氏にも話を聞いた。山本市長の証言を伝えると、前田氏はまず、「『吉本以外は勝たせへんから』なんて言っていません」とい強く否定し、こう続けた。

 

「山本市長の話には、真っ向から否定させていただきたい。そんなことを言うタイミングがどこにあったのか、市長にお尋ねしたいです。審査は集計係や審査員など、合わせて25人ほどがいる部屋のなかで行われました。そんななかで、『吉本しか勝たせない』なんて言えるでしょうか。そこには市長の秘書のかたもいたのに……」(以下、カッコ内は前田氏)

 

山本市長は「スポニチアネックス」の取材に対して、「前田氏が1人で集計していた」と話しているほか本誌の取材に対して、集計は「非公開だった」と話している。それについて、前田氏は「当日は集計係のひとが市の職員を含め合計7人ほどいました」と反論。さらに、最優秀賞の選考方法についてはこう説明した。

 

「山本市長が参加した第3回は山本市長と僕、そしてプラス・マイナスの2人と吉本興業のエリアマネージャーの5人が審査員でした。漫才が全て終わって審査員の点数を集計して、点数の高い順からホワイトボードに名前を並べたのですが、この時点で若葉のころはダントツで1位でした。この際には点数も記載していました。

 

ただ、点数だけですぐに優勝が決まるわけではありません。点数がどれほど高くても、ネタに品がなかったり、ただギャグをしているだけだったり、そういうのはどうなんだろうと私は考えています。そういったこともあり、点数とは別に『1位と2位にしたい人』に丸をつけてもらっていました。なので、次にその名前を挙げてもらうことにしました。この結果がボードの正の字です。その際には、点数1位の若葉のころと点数4位の笹川拓夢が同票となりました。

 

そしてさらに、この中で1位に丸がついているのは誰かを集計係に聞きました。集計係の方は『前田さんと、兼光さんと岩橋さんが若葉のころにいれています』と、3人が若葉のころに入れたと答えたんです。時間がなかったので、『5人中3人が若葉のころに票を入れたので、若葉のころが優勝ということで構いませんか』と確認して、山本市長からも他の審査員からもOKをいただいたので優勝者が若葉のころに決まりました。唯一市長が、自分の点数が意味をなしていなかったと誤解しているとすれば、時間がなかったため市長ともう一人の吉本の審査員が誰に一位に丸をしたかを聞かなかった点ですかね。でもそれ、やらせといいます?」

 

また「M-1グランプリ」の放送作家や予選審査員を’22年まで務めていた前田氏は「北河内新人お笑いコンクール」の選考にM-1でのノウハウを活かしていると明かした。

 

「M-1の予選もそうですが、北河内新人お笑いコンクールも1点や2点勝っているからといって、すぐに『この人が優勝!』とはなりません。またこれも『M-1』同様に、『こいつら嫌いだ。優勝させたくない』と個人的な感情で審査員が極端に低い点数をつけることがないように、『最低この点数はつけるように』というルールも設けています。それほど厳正に審査をしているんです」

 

■タイトなスケジュールだった大会当日「僕ひとりで集計するなんてありえない」

 

前田氏は「毎年、選考の過程を写真で残しています。今思えば、ビデオで残しておけばよかったと思うのですが……」と後悔を口にし、「集計は7人がかりで行うほど、大変な作業です。僕1人でどうやって集計するんですか。それに、この日はタイトなスケジュールだったんです」という。

 

「ゲスト漫才として参加してくれたさや香が、奈良で17時半入りの仕事があったので、この日は関係者みんながさや香のために『急いで急いで!』という状況でした。審査結果の写真を撮ったのは15時45分となっていますが、この時間は僕たちの集計待ちでプラス・マイナスとさや香に、ゲストトークでつないでもらっていました。さや香には16時には絶対タクシーに乗ってもらう必要があり、このことは吉本からも散々言われていました。審査はゲスト漫才やトークコーナーをしている30分の間にしなきゃいけないし、優勝が決まると賞状に名前を書く必要もあります。そんなに時間に追われた状況で、僕ひとりで集計するなんてありえないです」

 

岩橋や山本市長は「『吉本以外は勝たせへんから』と言っていた」と証言しているが、この件について前田氏はこう推測する。

 

「岩橋については、コンクールの第1回目の時の話をしているんだと思います。昼休憩でプラス・マイナスが楽屋入りをした際に、午前中の準決勝で、9番街レトロとチェリー大作戦と、松竹の子が面白かった!と話していて『コンクールには吉本が協力してくれているのに、第1回目の優勝が松竹芸能の子やったら吉本ずっこけるやろな!』と話して、2人も『ほんまですね!』なんて笑い話をしていたんです。

 

岩橋は、そのことを言っているのかもしれません。もしそうなら、そんな話をした僕にも責任がないわけではないのかなと反省しています……。

 

ただ、山本市長に関しては首を傾げてしまいます。岩橋とは違い、市長とは第3回のときにしかお会いしていませんし、先ほども話したように25人もいる部屋の中で『吉本以外は勝たせへんから』なんて言う隙はありませんでした。プラス・マイナスの2人にしたような冗談話さえも市長にはしていません。

 

なにより、この大会は愛する地元で地道に7〜8年かけてせっかく立ち上げました。他事務所やアマチュアの参加者も含めて一人でも多くの人に参加してほしいと思っている大会で、やらせなんかするわけありません」

 

■「市長と直接話がしたい」

 

岩橋とはLINEでやりとりするような仲だったという前田氏は「同じ交野市出身ということもあり昔から飲みに行く関係でもあったので……。だから、ただただ今の岩橋が心配なんです」と心情を明かす。岩橋に対しては終始気遣う様子を見せていた前田氏だが、山本市長の言動については納得がいかないようだ。

 

「市長という立場のひとがあんなことをXに投稿して、どうしても見逃すことができません。証人がたくさんいるにも拘らず、『吉本以外は勝たせへんから』と僕が言っていたと綴ったり、『一人で集計していた』と話したり、正直困惑しています。受賞した芸人たちにも失礼です。

 

世間では『市長が言っているんだから、前田はやらせをしたんだろう』という風潮になっています。正直、記者会見を開いて説明したいくらいです。ただ、僕も誤った情報が流れたままだと困るので、市長に直接『どうしてそんなことを言ったのか』と聞きに行く予定です。そこで対話するなかで、誤解が解けたらいいなと思っています」

 

さらに、2月29日にはお笑いコンクールの主催者の商業連合会の会長たちや集計を務めたボランティアスタッフら5、6人が、市長室を訪れ長時間にわたり猛抗議をしたという。今回の抗議については、前田氏は仕事の都合で参加できなかったという。

 

「どうしてこのような発言をしたのかや、発言の矛盾点を指摘したところ、終始しどろもどろだったそうです。僕が『吉本以外優勝させない』と言っていたという主張についても、コロコロ変わってきているようでした。市長が何をしたかったのか本当に不明です……」

 

真っ向から主張が食い違う山本市長と前田氏。両者が和解する日は来るだろうか。

出典元:

WEB女性自身

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