「福来スズ子(趣里)に引退を覚悟させた“最後のライバル”水城アユミは、美空ひばりさんや江利チエミさんをイメージしていたといわれています。アユミ役を演じていた吉柳咲良さんは今回の大役オファーに『歌がある役なので、自分が培ってきたものが朝ドラで活かせると思いました』と話していました」(制作関係者)
いよいよ3月29日に最終回を迎える連続テレビ小説『ブギウギ』。戦後の大スター、笠置シヅ子さんの生涯をモデルに描き、最終週では史実通りの「歌手引退」が描かれた。その最終盤のキーパーソンとなったのがアユミ役の吉柳咲良(19)だ。
「もともと吉柳さんは、今回の『ブギウギ』ヒロインオーディションを受験した2471人のうちの1人でした。40代以降の笠置さんを演じる必要性があり、吉柳さんは年齢的にまだ若いという理由でヒロインには選ばれませんでしたが、アユミ役でキャスティングされたのです」(前出・制作関係者)
栃木県出身の吉柳は12歳の2016年、「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で歴代最年少グランプリに選ばれた。
「翌年には、榊原郁恵さんや高畑充希さんらが演じたミュージカル『ピーター・パン』の10代目主人公として役者デビュー。同役を6年間務めました。歌と踊りには定評があり、昨年末にNHK BSプレミアムで放送されたドラマ『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』では、事務所の大先輩である山口百恵さんを見事に演じていました。『何度も何度も百恵さんの名曲を聴き直し、オーラに圧倒されながら、ご本人への敬意を絶対に忘れないように演じました』と話していました」(前出・制作関係者)
歌への情熱が強い吉柳は、プライベートでもカラオケが大好きだという。
「ひとりカラオケにもハマっていて、1回行くと6~8時間はノンストップで歌うとか。優里さんの『ドライフラワー』で声のコンディションをチェックしてから、大好きな宇多田ヒカルさんや、椎名林檎さんのアルバムの曲を順番通りに歌うのがルーティンのようです。なかでも十八番は太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』だそうです」(前出・制作関係者)
8年前、24,794人の応募者のなかからスカウトキャラバンのグランプリに選ばれ「どんな役でも見てくれる人たちを感動させられるようなすごい女優さんになりたいです」と語っていた吉柳。その時、花束を手渡された先輩は03年の朝ドラ『てるてる家族』ヒロインの石原さとみ(37)だった。悲願の朝ドラヒロインの道に向かって、吉柳はアユミ続ける。