5月22日、俳優の中尾彬さん(享年81)が亡くなっていたことを所属事務所が発表した。
発表文には、妻であり喪主の池波志乃(69)のコメントも掲載。「15日に容態が急変し、16日の夜中に自宅で私と二人の時に、とても穏やかに本当に眠るように息を引き取りました」と明かし、「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまったので、まだ志乃~と呼ばれそうな気がします」と胸中を綴っていた。
長らくお茶の間に親しまれていた中尾さんの訃報に、Xには驚きと悲しみの声が多く寄せられることに。そのなかで芸人の阿曽山大噴火(49)の投稿を発端に、中尾さんの“あるエピソード”が話題となっていた。
阿曽山大噴火は《中尾彬さんが亡くなって、何か凄い有名な代表作あったよな…と昨日からモヤモヤしてたけど、TLに流れてきて正解が分かった》とし、「中尾鍋」を紹介。
「中尾鍋とは白菜と豚バラを交互に詰めて煮た鍋で、現在では冬定番の“ミルフィーユ鍋”という名前でも親しまれている料理です。近年、ミルフィーユ鍋の人気に火がついたのは、’10年頃から放送されていた『味の素 ほんだし』のCM内で紹介されたことがきっかけでしょう。
CMには俳優の小栗旬さん(41)が出演しており、このときは『豚バラと白菜の重ね鍋』と呼ばれていました。CMに小栗さんが出ていたので、“小栗鍋”として認識している人もいます。ただ、それよりも前から中尾さんは自身の料理本やテレビ番組で“中尾鍋”としてこの料理を度々紹介してきました。そのため、“中尾鍋”という呼び方のほうが馴染みあるという人も多いでしょう」(WEBメディア記者)
実際、中尾さんはこのCMが放送される数年前にも、この料理を「中尾鍋」としてテレビで紹介している。それは、’08年10月に『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)に夫婦で出演したときのこと。番組後半で流れたVTRで、安住紳一郎アナウンサー(50)が池波の手料理を食べるというシーンがあり、手渡された手製の“お品書き”には「ご存知・中尾鍋 シークワーサーをそえて」の文字があった。
池波の渾身フルコースの中盤、白菜と豚バラを交互に敷き詰めた調理前の”中尾鍋”が登場。すると中尾さんは「これは俺の係だよ」と反応し、蓋を開けこう説明した。
「これは俺が美術学校行ってるときに、冷蔵庫開けて何も無かった。白菜と豚肉しかなかったから、それで作ったんだ。これが本当の中尾鍋ですよ」
そして中尾さん自身の手で水、焼酎、黒こしょうを入れ、20分ほど加熱。安住アナの「見た目も美しいですね」というコメントに、中尾さんが「それは俺が作ったからだよ」と愛嬌たっぷりに返す場面もあった。
とはいえ、最近では「中尾鍋」を知らないという人も多かったよう。X上では《我が家も大好物な鍋です 中尾鍋なんですね》《スカーフやマフラーだけでなく、豚バラと白菜もマキマキ(ネジネジ)していたんですね…》《え?あの鍋、中尾彬が考案したの?知らずに普通に食べてたよ。凄い偉業だ》などの驚きの声が寄せられていた。
食通で知られ、池波の手料理を何よりも楽しみにしていたという中尾さん。おしどり夫婦の定番メニューを、皆意外な形で口にしていたようだ。