別の雑誌のインタビューでも自身の“欠点”について聞かれ、
《後ろ向きなところ。ネガティブなことを考え始めると止まらないんです》(『non-no』’10年5月5日号)
と答えている。
「aikoさんはデビュー後しばらくの間、ライブの前は怖くて仕方なかったそうです。緊張のあまり、息切れしてしまうほどだったとか」(前出・音楽関係者)
音楽の“生みの苦しみ”のため不安にさいなまれやすいaikoにとって、千葉被告から助言をもらうことはつけこまれる要因となっていったようだ。当初は純粋だった信頼関係が、aikoが法廷で証言した「洗脳」の入口になったのかもしれない。心理カウンセラーの横山真香さんは次のように分析する。
「報道を見る限り、aikoさんにとって、千葉被告の存在は“メンタルトレーナー”という面が大きかったのではないかと考えます。aikoさんが『次の曲が売れなかったらどうしよう』と不安を抱く。そこに千葉被告が『大丈夫だから』と声をかける。曲がヒットしたら『この人の言うことは正しいんだ』と考える。この繰り返しで『この人についていくしかない』 という思考でがんじがらめになってしまったのではないでしょうか」
やがて、ライブ中のMCでaikoがたびたび千葉被告の名前を口にするなど、その存在はファンの間でもおなじみになっていた。
「ライブの合間に、バンドメンバーが披露するソロパフォーマンスに対して千葉被告が判定を下す“千葉さんジャッジ”は、名物の一つでした」(前出・音楽関係者)
周囲には千葉被告が紛れもないaikoの“育ての親”に映っていた。しかし、いつしかその関係性は“支配”へと変容していく。ある時期に起こった異変をaikoのデビュー当時からのファンの女性が明かす。
「じつは、aikoさんには千葉被告のほかに、デビューのころから深く信頼していたNさんというマネージャーがいたんです。ファンサイトでは、千葉被告よりもNさんのほうが有名なくらいでした」
N氏は日々の仕事の送迎のほか、レコーディングの合間を縫っての息抜きに付き合うなど、aikoのことを献身的にサポートしていたという。ファンの間でもaikoにとって不可欠な存在とされていたのだが――。
「’05年ごろ、Nさんがaikoさんのマネージャーから外されてしまったのです」(前出・ファンの女性)
突然の出来事に、ファンの間には衝撃が走った。それだけでなく、ほかのスタッフたちもすべて入れ替えになる事態が同時期に起こったという。
「いま考えてみると、千葉被告が自分以外のスタッフを遠ざけるために一掃したのかもしれません」(前出・ファンの女性)