「皆さまの信頼を裏切るようなことがありました。本当に申し訳なく思っていますし、心苦しく思っています。でも、だからこそ、この皆さまが作ってくれたこの『24時間テレビ』を私たちは続けたいです」
6月20日、涙ながらにこう謝罪したのは日本テレビの水卜麻美アナウンサー(37)。1978年から放送されている『24時間テレビ』の寄付金着服問題について言及し、番組テーマの変更を発表した。
昨年11月に系列局である日本海テレビの幹部社員が、10年にわたって同番組の寄付金などを着服したことが判明。会社の売り上げなど合計1100万円あまりを私的に流用し、そのうち264万円は『24時間テレビ』の寄付金だったという。
チャリティーの根幹を揺るがす事件だが、番組は継続されることに。これに伴って番組テーマは、「愛は地球を救う」から「愛は地球を救うのか?」と自問自答するかたちに変更。総合プロデューサーの吉無田剛氏は、公式サイトで《これまで続けてきたチャリティー自体を否定したくはないですし、続けることでしか信頼を回復することはできない》と躊躇った胸中を記していた。
しかしネットやSNSでは放送の見送りを求める声のみならず、水卜アナを矢面に立たせたことへの批判も相次ぐ事態に。
そんな日テレといえば、最近では“不祥事続き”となっている。
「まず大きな不祥事といえば、昨年10月から放送された連続ドラマ『セクシー田中さん』の件が挙げられます。原作者の芦原妃名子さん(享年50)が脚本トラブルを告白した直後に亡くなったことを受け、同局は5月31日に調査報告書を発表しました。
ですが別紙には『在京各社元ドラマプロデューサー5名』からのコメントとして、《これで怖がっちゃいけない。安全にドラマを作る方法なんてない》《失敗しないと学ばない》などと紹介。まるで“改変を正当化”するような内容は、火に油を注ぐこととなりました」(テレビ局関係者)
さらに今月12日には、ドジャース・大谷翔平(29)の新居報道をめぐって日テレとフジテレビに「出禁処分」が下されたと「週刊現代」が報じたばかり。
記事によれば、大谷がロサンゼルス近郊に購入した12億円の豪邸について詳細に報じた両社に、大谷サイドが激怒したとのこと。さらにドジャースから貸与されている取材パスが、凍結されたとも伝えられた。
いっぽうこの騒動で日テレの対応は、フジテレビと大きく異なった。
「今月22日に公開されたスポニチの記事では、フジテレビは同紙の取材に“ドジャースから取材パスは凍結されていない”と否定しつつ、過剰報道には謝罪していました。ですが日テレは、同紙の取材に『取材の過程についてはお答えしておりません。総合的に判断して対応しております』との回答に留まったと報じられました。今後、日テレの定例記者会見で説明がなされる可能性もありますが、このような対応は回答拒否と捉えられても仕方がないでしょう」(スポーツ紙記者)
こうしたフジテレビとの対応の違いに、ニュースサイトのコメント欄では批判が続々。
《日テレは?》
《謝罪するだけフジテレビのがまし》
《総合的に判断して対応って、なんでこの期に及んで自分たちに決定権があるみたいな上からの言い振りなのか意味がわからん》
批判が高まる背景について、前出のテレビ局関係者は言う。
「あらゆる場面でトラブル続きとなっていますが、一番の問題は何かが起こった後の対応でしょう。『セクシー田中さん』の件でも、芦原さんの訃報を初めに報じたのは日テレのニュースサイトでした。記事には同局の追悼コメントも掲載されましたが、脚本トラブルに関する説明は“他人事”と指摘されるほど短く、不十分なものでした。『24時間テレビ』を放送するにあたっても、水卜アナ頼りといった印象は拭えません。視聴者が求めているのは、経営陣サイドの誠実な対応なのではないでしょうか」
日テレは視聴者の溜飲を下げることができるだろうか、果たして――。