「寅子の母・はる(石田ゆり子)が亡くなる寸前のシーンは、撮影現場でもらい泣きするスタッフが相次いでいました。少し前に夫・優三(仲野太賀)が幽霊となって登場する河原でのシーンの撮影がありましたが、そのときはモニターを見ながら伊藤さんと仲野さんのマネージャーさんが号泣――。この数週、寅子の夫や両親、友人など主要キャストの“最期のシーン”が続き、スタッフ一同、涙もろくなっています」(制作関係者)
NHK連続テレビ小説『虎に翼』でヒロイン・寅子を演じる伊藤沙莉(30)。死ぬ間際の母を前に、リアルに泣く場面で、視聴者も涙を禁じえなかったようだ。
「視聴者のSNSでは《朝から大号泣》《涙腺崩壊…メイク前でよかった》《きれいに泣かない伊藤沙莉にリアリティ感じちゃう》など、母娘の演技に絶賛の嵐でした」(テレビ誌記者)
評判も上々で、6月14日に放送された第55話では最高世帯視聴率18%を記録した。
「日本初の女性弁護士で、のちに裁判官となった三淵嘉子さんをモデルにした今作は、6月から《裁判官編》が始まりました。伊藤さんは役作りのため、定期的にスタッフと一緒に裁判を傍聴しに行っていると聞きました。第11週(第51~55話、10~14日)の週平均世帯視聴率も17.3%で番組最高を更新。特に10~30代の女性がよく視聴しており、ヒロインの伊藤さんに共感しているようです」(前出・テレビ誌記者)
裁判官編に入り、クセが強い新たな登場人物たちも、ドラマにアクセントを加えている。 前出の制作関係者は続ける。
「語学堪能な判事“ライアン”こと久藤頼安(沢村一樹)、“滝行”が趣味の最高裁判所家庭局長の多岐川幸四郎(滝藤賢一)が特に視聴者から人気のようです。
沢村さんは伊藤さんと朝ドラ『ひよっこ』で共演していますが、セリフを交わすシーンは初めて。『彼女の芝居のテンポが少し速いから、刺激をもらえるね』と話していました。
また、滝藤さんはアドリブが多いですね。特に家庭裁判所設立準備室のメンバーとのシーンでは、臨場感が出るように、撮影直前までセリフを言う場所や座る位置を変更していました。『みんなを困らせているかもね』と苦笑いしていましたが、それが絶妙なチームワークにつながったようです」
本誌は最高視聴率を記録した14日の夜21時、収録を終えてNHKを出る伊藤の姿を目撃した。連日、撮影に追われている伊藤だが、局内には“ひそかな楽しみ”があるという。
「伊藤さんはほぼ毎日、朝ドラのスタジオと同じ1階にある大食堂でランチをしています。関係者と数人で配膳の列に並び、いつも笑顔で楽しそうに話していますね。セルフサービスの水も、みんなの分を率先して運んでいますよ。ふだんは700円前後の定食を食べていますが、月に数回“スペシャルメニュー”が出てくる日があり、伊藤さんはなかでも『スペシャルハンバーグ定食』が大のお気に入り。上質なひき肉を使ったハンバーグで、値段は普通の定食よりも高く1千円ほど。食堂内でも人気メニューで、伊藤さんも『次はいつ出ますか?』と食堂の職員さんに聞くなど、ドハマりしています」(NHK関係者)