BTSやNewJeansといった世界的アーティストを輩出している、K-POPを代表する芸能事務所「HYBE」。7月9日、パリ五輪に出場する韓国代表選手団を応援するためのグッズ「チームコリアペンライト」を約5000個製作し、韓国オリンピック委員会を通して提供することを発表した。
K-POPがアスリートの応援に一役買うというワクワクするようなニュースだが、一部で物議を醸している。というのも、韓流エンターテイメントのニュースサイト「Kstyle」が7月9日に配信した記事のなかで、こう綴ったためだ。
《HYBEは、「K-POPから始まったペンライト文化を国際的なスポーツの場にまで拡大し、新しい応援のパラダイムを提示することは、エンターテインメント企業であるHYBEとしては非常に意味のある試みだ」とし、「1つの光で多くの人々をつなぐペンライトの価値は、同じ気持ちで選手たちを応援する五輪の応援文化とも一致する」と明らかにした》
すると、「ペンライト文化はK-POP発祥」という説に異論が噴出。Xで《KーPOPがペンライト文化発祥???????????》《KーPOP流行るだいぶ前からあるやんけペンライト》などと、疑問の声が上がったのだ。
これを受けて10日、「Kstyle」は「チームコリアペンライト」の記事を削除し、《2024年7月9日に掲載した「2024年パリ五輪用のペンライト」の記事におきまして、内容に誤りがありましたので、Kstyleではニュースを掲載中止させて頂きます》と報告。そして《本記事は、韓国国内でのプレスリリースならびに韓国の提携メディアの翻訳記事となりますが、事実確認が足りないまま掲載しましたこと、お詫び申し上げます》と謝罪した。
■「西城秀樹さんすごい!!」「やっぱ偉大」
そんななか、“本当のペンライトの生みの親”である伝説のスターに注目が集まることに――。それは、西城秀樹さん(享年63)だ。実は、あるXアカウントが「ペンライトの文化は日本発祥で、秀樹さんがきっかけで始まった」と投稿したところ、大きな反響を呼んだのだ。
実際、秀樹さんは’16年8月、『東京新聞』web版のコラムで《実はペンライトは僕のコンサートが発祥なんです》と明かし、《忘れもしない一九七四年夏の大阪球場。夜の公演だったので、前日のラジオで「客席のみんなが見えるように、懐中電灯を持ってきて」と呼び掛けたところ、大勢のファンが持ち込んでくれました。初めて見る客席の光はとても幻想的だったのを覚えています》と綴っている。
また、記事内で秀樹さんは翌年の大阪球場でのコンサートの際、会場周辺にライトを売る露店がずらりと並んだことや、次第にファンが豆電球に赤や青のセロハンを巻くという工夫を始めたことなど、ペンライトが文化としてファンに浸透していく様子を回想している。
「“客席から光るものを振る”という文化が秀樹さんのコンサートで定番になると、コンサートグッズとして化学反応で光るケミカルライトが販売されるように。そして、80年代になるとコンサートでの光の演出が増えるようになりました。
“アイドルファンが自前のペンライトを会場に持ち込む”というスタイルが定着したのは’10年ごろのこと。大人数のアイドルグループが増えた上に、メンバーそれぞれにイメージカラーが割り振られているため、ペンライトは色のバリエーションが求められることとなりました。その結果、ペンライトの需要がさらに増えていったそうです」(音楽関係者)
今や推し活の必需品であるペンライト。そんなペンライトの生みの親が秀樹さんだと、今回の“誤報”をきっかけに知った人たちは、Xにこんな“感激”を綴っている。
《ペンライトは!西城秀樹さんが!始まり!良いことを知れた!!西城秀樹さんすごい!!》
《今からすると普通でも、最初思いついたのはすごいアイデア…》
《恥ずかしながら今回のことでペンライトの起源を知ったのだけど、コンサートに懐中電灯持ってきて!っていう西城秀樹のセンス(?)すごすぎ ありがとうペンラの生みの親》
《恥ずかしながらペンライトの始まりは西城秀樹さんだったのをさっき知りました やっぱ偉大……》