放送3週目を終えた、橋本環奈(25)主演のNHK連続テレビ小説『おむすび』。ストーリー展開への不満や視聴率不振が囁かれるなか、最新回の内容が波紋を呼んでいる。
問題となっているのは3週目を締めくくる18日放送回での、姉への複雑な思いを抱えながら博多ギャル連合(ハギャレン)のメンバーと結(橋本)が合流し、男性会社員と揉めている様子の別のギャル集団を目撃したシーンだ。
「ざけんなよ!」「触っただろ、おっさん?」「触った瞬間の証拠あるから」と写メを見せながら、会社員に金銭を要求するギャル集団に対し、ハギャレンの面々は「あんたらと間違えられて迷惑してる」「もうこういうことやめようと」と詰め寄る。それでも、「あんたらも同じようなことしてる」と居直って話を聞こうとしないギャル集団に対し、結が「ぜんぜん違います!」「人に迷惑をかけるような悪いことは絶対やりません!」と啖呵を切り、最終的に会社員の通報を受けた警察官がギャル集団を連行するという一幕だった。
ダサいことはしないハギャレンに対し、痴漢をでっち上げ、会社員を恐喝していた“悪のギャル集団”との対比が描かれたこのシーン。しかし、X上ではこんな落胆の声があがっている。
《虎翼からの次の朝ドラが痴漢冤罪ネタやるの最悪だな〜何十年戻ったの?本当に現代?》
《冤罪といえば痴漢 このステレオタイプをさらに拡散させるのか、朝ドラで》
《朝ドラ、飛び飛びでしか見てないんだけど痴漢冤罪出てきちゃって「あーあ」な感じ。ドラマって痴漢といえば冤罪ばっかでマジの痴漢扱わないよね。そっちの方が何十倍、いや何百倍起こってるのにさ》
こうした声があがる背景について、ある社会部の記者は言う。
「痴漢をでっち上げる行為は犯罪であり、決して許されるものではありませんから、ドラマのなかで取り上げること自体は問題ないでしょう。
いっぽうで、日本は不名誉なことに世界屈指の“痴漢大国”として知られており、長年問題視され続けてはいますが、今でも痴漢の被害に苦しんでいる女性が数多くいます。警察庁生活安全局生活安全課が発表した資料によると、痴漢の検挙数は令和元年から2年にかけて大幅に下がったものの、令和4年には再び増加しています。令和2〜3年の減少はコロナ禍で電車通勤する人が減ったことによるものと見られており、落ち着いてから再び増えていることからも、根絶には程遠い状況です。
改善がみられない状況のなか、朝ドラで“痴漢冤罪”を取り上げたことで、“痴漢の被害にあってる人のことも取り上げて”といった批判があがっているのではないでしょうか」
ただ、こうした声に対して、『おむすび』の舞台となっている2004年に同様の恐喝事件があったことなどをあげた上で、反論する声もあがっている。
《実際におむすびの年代では痴漢冤罪及び痴漢でっち上げによる示談金詐欺が横行していたという背景があります。 この頃の冤罪とでっち上げの多発により警察は痴漢被害の立件について非常に神経質になり今のような複雑で面倒な捜査にかやりました》(原文ママ)
《えっこれどこのシーンの話してんの?って思ったら多分オヤジ狩りのシーン……?朝ドラに限らず不良女子高生がオヤジ狩りしててみたいな描写って普通にあるくないか?それを痴漢冤罪を〜ってなんかモヤるな。もちろん痴漢冤罪はいけないことなの大前提でね》