10月20日、ファッション評論家でタレントのピーコさんが亡くなっていたと発表された。79歳だった。
ピーコさんは専門学校を卒業後、服飾デザイナーに。そして双子の弟である映画評論家のおすぎ(79)とともに「おすぎとピーコ」のコンビでタレント活動を始めると、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)など数多くのバラエティー番組で大活躍。その歯に衣着せぬフェミニンな物言いで、お茶の間の人気者となった。
「NHK NEWS」によると数年前から認知症の症状が出始めたため昨年6月、施設に入所することに。折り紙を折るなどして入所者と穏やかな生活を送っていたが先月3日、敗血症による多臓器不全のため亡くなったという。
70代に入ってからも精力的に芸能活動を行っていたピーコさん。本誌は今から約10年前、ピーコさんが濃い顔立ちのイケメン男性と手を繋ぎ“デート”する様子を目撃している。
‘15年の初夏、サッカー解説者の前園真聖似の30代くらいの男性に手を引かれ、ピーコさんは嬉しそうに南青山を歩いていた。 “恋人つなぎ”で指を絡めた2人は、手をつないだまま、ピーコさんの住む自宅マンションの前まで行くと玄関ロビーで熱いハグ。「バイバーイ!」と言って手を振りながら踵を返した男性の背中を、ピーコさんはいつまでも見送っていた。
後日、本誌は自宅から出てきたピーコさんを直撃。「あの素敵なイケメンが、いまのピーコさんの彼氏なんでしょうか?」と尋ねると、ピーコさんは始終笑顔でこう答えていた。
「記者さんが期待しているような、あやしい関係じゃありませんよ、残念ながら(笑)。私も70歳になって、1人でご飯を食べるのもつまらないでしょう。だから、そういうお友達を1人くらいは作っておきたくて。彼は私よりずうっと年下で、35歳と若いですからね。もう、介護みたいなもんなのよ!(笑)」
男性について当時、「元モデルでいまは専門的なボディトレーナーをやっている」と明かしたピーコさん。「たぶん、これからも私たちの手つなぎデート現場は、みなさんお見かけになると思うのね。でも、気にしないでくださいね」とも話していた。
ピーコさんは、’89年に悪性黒色腫により左目を摘出。その時は、親友だった女優の吉行和子さんが、つきっきりで看病し、仲間の出し合ってくれたお金で義眼を入れたという。この時のことについて、ピーコさんはかつて『週刊朝日』のインタビューで次のように語っていた。
《私ね、がんになって初めて人のありがたみがわかった。それまで、「ゲイの自分はひとりで生きていくんだ」って思っていたけど、気にかけてくれる人がいつも、いっぱいいたんだって》(『週刊朝日』2012年1月27日号)
多くの人に愛されたピーコさん。天国でも“ピーコ節”で、明るく周りを楽しませているだろう。