■実母から“鬼のような母親”と言われていた
だが、これらの言動は昌子独自の育児信念に基づいたものだと語るのは、別の音楽関係者だ。
「’05年に進一さんと離婚した昌子さんは、シングルマザーとして3人の子供を育て上げました。ご存じのように長男はロックバンド『ONE OK ROCK』ボーカルのTakaさん(36)です。“門限を破ったら家に絶対入れない”“18歳になったら家から出す”など、あまりに独特で、彼女の育児本『母親力 息子を「メシが食える男」に育てる』がベストセラーになるほどでした」
’17年2月、昌子本人は本誌にもこう語っていた。
「いまのお母さん方に比べると、私はかなり厳しいお母さんです。もちろん、3人とも男の子ということもありますが、たとえば、公園に行って、何かにつまずいて転ぼうが平気でした。手助けもしないで『自分で起きなさい!』と。
叱る場合も、いけないことをした瞬間に叱らないと意味がない、効果がないと考えて人前でも平気で叱りました。ですから、母から『鬼のような母親だ』『私はそんな人間に育てたつもりはない』とよく言われました(笑)。
私は一人っ子で本当に甘やかされて育ちましたけれど、13歳で大人の世界に足を踏み入れて『生きていくことの大変さ』を思い知りました。とくに男の子=男性はそうですね。仕事だけでなく、家族を養っていかないといけませんから」
実母から“鬼母”とまで呼ばれていた昌子だけに、「しつけ」には強いこだわりが――。
「『しつけ』は、まず、言葉遣いと目上の人を敬う気持ち。そこで、幼いころから、親はもちろん自分の兄弟にも敬語を使うようしつけました。ですから、次男、三男はいまでも長男と話をするときは敬語を使っています」
前出の音楽関係者も言う。
「昌子さんは血気盛んな思春期の息子たちと真剣に向き合ったため、取っ組み合いや殴り合ったことが何度かあったとか。また、長男とは1回だけ、修羅場になったことがあり、包丁を持ち出し『お前を殺して、そのあと母さんも死ぬから!』と言ったそうです。“それくらいの覚悟がないと本当の意味での子育てはできない”とも主張していましたね」
そんな昌子だけに、子供たちが大人になったら、いち早く「自立」を強く促していた。本誌のインタビューでもこう語っていた。
「『18歳になったら家を出なさい』と言っていました。私から見れば18歳は立派な『大人』ですし、私は、息子たちが18になるまで自分の身を削って子育てをしてきて、もうやり残したことはなかったですから……」
そのため、息子たちが結婚して家族を持った後、姑として固く決めていることがあった。別のインタビューでこう力説している。
《息子たちには、もし孫ができても面倒はみないと言い渡してあります。母は私に命を注ぎ続けてきた人ですけど、そんな母が反面教師になっていて。私は子どもたちを18歳までは自分の時間を全て使って全力で育て、すべて教え切りましたので、あとは自分たちで生きていってほしいと思っています。『これからは自分のために時間を使わせてね』と伝えたいです》(『婦人公論』’19年6月11日号)
結婚したら自分の家庭を何より大事にしなさい―“鬼母”の真意はhiroに伝わっているはずだ。