■中居の出演シーンをカットも視聴者の支持を集めた「大型企画」
そんな不穏な空気のなか、放送を迎えた『ザ!世界仰天ニュース』。番組開始から中居と笑福亭鶴瓶(73)のMCによるオープニングトークはカットされ、再現VTRとひな壇に座るタレントのリアクションを中心に構成されていた。鶴瓶がトークをする際は再現VTRの映像などと“2分割”されるなど、隣にいたと思われる中居を“抹消”する徹底ぶり。また番組中盤では、放送枠に空きが生じた際に使われるACジャパンのCMが流れる場面もあった。
だが一夜明けてみると、世帯視聴率は12.0%、個人視聴率は7.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を記録。中居の出演シーンをカットしたことが大きく注目されたかたちだが、視聴者の間では差し替えを行わずに放送された“ある企画”に称賛が集まっていた。
それは、番組後半で放送された阪神・淡路大震災の特集。’95年1月17日未明に淡路島北部を震源地とするマグニチュード7.3の大地震が発生し、6,434人の命が失われ、全壊した住家は10万棟以上にのぼった。
番組では震災発生当時に撮影された実際の映像を交えつつ、鶴瓶とお笑いトリオ・安田大サーカスの団長安田(50)の被災経験が再現VTRで伝えられた。この震災では建物の倒壊による圧死や窒息死が死因の7割以上を占めており、20歳で亡くなった安田の親友・恵介さんも犠牲者の一人だった。
恵介さんが滞在していたマンションも倒壊に巻き込まれ、助かることを願ってマンションの前で4日間叫び続けた安田。だが無念にも、恵介さんは遺体で発見されたという。番組では当時、マンションの前で呆然と立ちすくむ団長の姿を収めた新聞社の写真も紹介された。
安田はこれまで震災を伝えるニュースや映像を避けてきたといい、「こういうVTRを今までちゃんと見たことがなくて、見られてないし、こういう番組があってもチャンネルを変えていたんですけど。思い返しちゃって」と、目に涙を浮かべながらコメント。親友を失ったことについても、「恵介の死んでいる姿を見て、これより辛いことないやろと思って。ホンマに人間っていつ死ぬかわからんから、やりたいことはその時にやらなアカンなと。それが芸人やったんですね」と振り返っていた。
今年1月で30年の節目を迎える阪神・淡路大震災。約1時間にわたって震災の経験や教訓を伝えた番組に、Xではこんな声が寄せられている。
《世界仰天ニュースは阪神・淡路大震災の特番だったのか。これは中居スキャンダルお蔵入りさせるの違うなって放送するわな》
《世界仰天ニュース阪神淡路大震災 安田大サーカス団長がこんな悲しい経験をしていたなんて… 忘れてはいけない、あれから30年… 中居のゴタゴタがあっても放送して正解だったと思う》
《これは 中居くんとかじゃなくて 世界仰天ニュース 放送して正解だよ!! 数年に1回は放送した方がいいよ。皆、ちゃんと見た方がいいよ、地震がある国だから 阪神淡路大震災 あれからもう30年…》