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「共演したかったんだよ!」

 

香取慎吾(47)と久々に同じ舞台に立った井ノ原快彦(48)はこう叫んだ。事務所の垣根を取っ払ったコラボレーションは萩本欽一(83)の“普通を避ける精神”抜きには語れない――。

 

1月13日、『欽ちゃん&香取慎吾の第100回全日本仮装大賞』(日本テレビ系)が放送された。45年も番組が続く理由を考えた時、初回から司会を務めてきた萩本欽一の根本的な思考に辿り着く。

 

今大会、“普通を避ける”象徴的なやり取りがあった。兄妹の子供2人が『ハンモックで変身』の演技を終えると、萩本はラジオ『キンワカ60分』(ニッポン放送)で共演している審査員のオードリー若林正恭(46)に話を振った。

 

萩本:若林、友達のように話してあげて。
若林:陽太くん。お見事だったね。ブリッジの🎵変身、変身が良かったよ。
陽太:ありがとうございます。
萩本:「ありがとう」じゃつまんない、もっと話しなきゃ。
若林:欽ちゃん、ダメ出しは俺だけにしてあげて(会場笑い)。
香取:(子供に)ありがとうじゃない言葉を。若林さんに言われたら、ありがとうじゃない言葉を言うんだよ。
若林:香取さん、香取さん、詰め過ぎだって!
香取:(若林に)お願いします。
若林:ハンモック1つで、あそこまで広げるって凄いね。
陽太:いや、それほどでも。

 

欽ちゃんが「普通の言葉」を禁止したことで、子供から「いや、それほどでも」というフレーズが生まれ、会場は笑いに包まれた。

 

思い返せば、『仮装大賞』は「テレビ界の普通」を壊すために生まれた番組だった。1979年大晦日の第1回は『NHK紅白歌合戦』の真裏で対抗。当時、視聴率70%超えの国民的行事に対し、他局は主に映画や音楽イベントでお茶を濁していたが、日本テレビはオリジナルにこだわった。76年、77年にもコント55号と『紅白歌合戦をぶっ飛ばせ』を制作していた齋藤太朗プロデューサー(88)が内容を相談すると、欽ちゃんはこう答えたという。

 

《向こうは芸能人がたくさん集まってるんで、こっちは素人にしたほうがいいんじゃないですかと言ったんですよ。それなら負けて当然だし、僕も気が楽だって》(『文春オンライン』2021年12月30日配信)

 

有名歌手勢揃いの『紅白』に、素人の『仮装』で戦いを挑んだ。視聴率は怪物番組の77.0%に対し、4.8%と全く歯が立たなかったが、民放1位に。80年5月に第2回大会が放送されると14.8%をマークし、81年6月の第4回大会では裏の巨人戦を上回る20.8%を獲得した。

 

素人の“普通ではない発想”から「アジのひらき」(第6回優勝)「明治神宮」(第6回ユーモア賞)「ボーンレスハム」(第17回優勝)などの名作が誕生し、『仮装大賞』は安定的な人気を得ていった。出場者と萩本欽一の相性も抜群だった。“普通を避ける精神”で根本的に通じ合っていたからだ。

 

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出典元:

WEB女性自身

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