昨年の前期に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』。日本初の女性弁護士にして後に裁判官になった三淵嘉子さんをモデルとしたオリジナル作品で、伊藤沙莉(30)演じる主人公・猪爪寅子の決めゼリフ「はて?」は流行語大賞にノミネートされるなど話題に。
世帯平均視聴率は16.8%を記録し、直近の作品と比べると、黒島結菜(27)がヒロインを務めた『ちむどんどん』(2022年前期)の15.8%、福原遥(26)がヒロインの『舞いあがれ!』(2022年後期)の15.6%、趣里(34)がヒロインの『ブギウギ』(2023年前期)の15.9%、神木隆之介(31)主演の『らんまん』(2023年後期)の16.6%を上回った。そして、視聴率以上に熱狂的なファンを多く獲得したことで社会現象に。
そこで本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」にて、20代から60代の男女500人を対象に、2000年代のNHK連続テレビ小説のなかで名作だと思う作品についてアンケートを行った。
第3位は『純情きらり』(2006年)。
津島佑子の小説『火の山一山猿記』を原案に、周囲の反対を押し切りながら、ジャズピアニストの夢を目指す主人公・有森桜子を宮﨑あおい(39)が演じた。福士誠治(41)演じる幼なじみの老舗みそ店の跡取りと結婚し、戦前戦後の激動の時代を一生懸命乗り越える女性の姿が描かれた。
《宮﨑あおいの演技もさることながら、もどかしい心情をうまく描いていた》(60代男性/会社員)と、主演を務めた宮﨑の好演が印象に残っているというコメントや、《泣ける話だった》(50代男性/その他)、《次の日が楽しみになった》(50代女性/専業主婦)と、波乱万丈な人生を描きながらも強く生きる女性の姿に力をもらっていたという視聴者もいるようだ。
第2位は『ちりとてちん』(2007年)。
2021年に世帯平均視聴率17.1%の人気朝ドラ作品『カムカムエヴリバディ』の脚本を手掛けた藤本有紀の朝ドラ1作目。これまでの朝ドラヒロインとは正反対の心配性でネガティブ思考のヒロインが誕生した。貫地谷しほり(39)演じた主人公・和田喜代美が、落語家の徒然亭草若に弟子入りする笑いあり涙ありの青春コメディだ。
《今まで興味のなかった落語の面白さを知れた》(40代女性/パート・アルバイト)、《落語という題材が良かった》(40代男性/会社員)と、あまり類を見ない落語の世界を描いた作品が好印象だったようだ。また、《テンポが良かった》(40代女性/会社員)、《演技も脚本も素晴らしかった》(30代女性/会社員)と喜劇仕立ての脚本と主演の貫地谷をはじめとした渡瀬恒彦さん、松重豊(62)など名俳優たちの怪演に言及しているコメントも。
そして第1位は『ちゅらさん』(2001年)。
朝ドラオリジナルストーリーの本作では、八重山諸島小浜島で育ったヒロインを国仲涼子(45)が演じた。小浜島、那覇、東京に移り住み、看護師を目指すため奮闘する主人公を見守る沖縄の家族と東京で共に暮らす「一風館」の住人たちを描いた物語だ。山田孝之(41)や菅野美穂(47)も出演し、あまりの人気ぶりにシリーズ化され続編も放送された。
《沖縄のきれいさが印象的》(60代女性/無職)、《沖縄の言葉や伝統がちりばめられ、沖縄に行きたいと感じたドラマだった》(60代男性/経営者・役員)と、ドラマを通して沖縄の自然や言葉を知り興味を持ったという視聴者や、《エリーが明るく前向きな気持ちにさせてくれて幸せな心にさせてくれた》(60代女性/専業主婦)、《家庭のぬくもりが伝わる最高のドラマだった》(40代女性/会社員)と、俳優陣の演技力だけでなく、人情味あふれる物語に感動したというコメントも多く見受けられた。
朝の時間を彩り続けるNHK連続テレビ小説。後に続く名作にも期待したい!
