水谷豊と趣里(写真:本誌写真部) 画像を見る

横浜市にある商業施設に、黒いスーツに身を包んだ男性が。真剣な表情で相棒・寺脇康文(63)と話し込んでいたのは水谷豊(73)だ。9月26日、水谷は『相棒』(テレビ朝日系)のロケに臨んでいた。

 

同日に、愛娘・趣里(35)が自身のインスタグラムで第1子出産を公表。水谷も所属事務所を通じてコメントを発表していた。

 

《趣里、凌輝おめでとう!これで去年から始まった我々の食事会が、1人増えてますます賑やかになるね。2人に感謝!これまで通り、自分たちを信じて2人で前向きな人生を歩んで欲しい》

 

ニュースを見た知人からメッセージが届いたのだろうか、水谷は『相棒』の撮影の合間にスマホを確認。ポケットにスマホをしまうと、なぜか仏頂面だったーー。

 

この“前向き”は、水谷家で大切にされている考えのようだ。’24年2月に配信された「婦人公論.jp」のインタビューで、伊藤蘭(70)は、《私は運がいいほう》といい、さらにこう述べていた。

 

《どんなに大変なことが起こっても、「これは、この先の人生がもっと良くなるための出来事だから」と考えているからかもしれません。そして、「絶対にいい結果になるに違いない」と信じてもいます》

 

’89年に結婚して以降、ともに人生を歩んできた水谷と伊藤。2人の考えは一致している。

 

水谷は’23年に出版した『水谷豊 自伝』でもこう綴っていた。

 

《自分は崖っぷちに立つと強い。普通はここで終わっているというときに、あれ?ということが起きる。何かの助け船が出る。だから、何があっても、いい方向へ行く、いい方向にしか行かないという思いがあるんです》

 

楽天的な水谷夫妻が娘に対して、“前向きな人生を”とエールを送ったのには、切なる思いが込められていると、水谷家の知人は言う。

 

「趣里さんは水谷夫妻と違って、プレッシャーを感じやすく、自身を心配性と称しています。そんな彼女を思いやってのことでしょう。

 

その一方で、結婚・出産という人生の晴れ舞台で“前向きな人生を”とコメントしたのには、大きな不安の裏返しなのでは……とも思います。これまでの人生でさまざまな経験をしてきた水谷夫妻であっても、子供の結婚と孫の誕生に関しては、初めてですから……」

 

初孫が生まれるまでに水谷は、度重なる逆境を乗り越えてきた。

 

「水谷さんは子役として活躍。高校卒業後にアメリカの大学に進学し留学するつもりでしたが、父親の会社が倒産し、計画が頓挫しました。国内の大学を受験するも不合格で浪人生活を送ることになり、結局大学には進学せずに芸能活動を再開することになりました。

 

’82年にはドラマ共演がきっかけでアメリカ人女優のミッキー・マッケンジーさん(66)と結婚。当時、水谷さんは30歳でした。

 

しかし半年もたたないうちに、ミッキーさんがアメリカに帰国してしまいました。仕事をセーブしてできるだけアメリカに赴くも、次第に2人の間ですれ違いが生じるようになり、ミッキーさんから離婚を切り出され、’86年に成立したそうです。そのショックから、1年半の間、仕事をほとんどしなかったといいます。

 

’88年には膀胱がんが発見され、闘病も経験。芝居に集中できる環境になく、水谷さん自身は30代のときは『全然仕事がなかった』と語っていましたね」(芸能関係者)

 

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