「10月中旬に裁判所からの封筒が届きました。中身を確認すると『アルタミラピクチャーズ』の破産手続きを開始したという通知でした。
最新作の撮影は、主演を予定していた目黒蓮さんがクランクインの約1カ月前に突然降板するなど、トラブルが相次ぎ中止となりました。当初は“お約束していたギャラは支払う”と説明を受けていたので安心していたのですが、まさかの破産で出演者やスタッフたちは途方に暮れています」
そう嘆息するのは、映画製作関係者だ。
10月16日、映画『Shall we ダンス?』『ウォーターボーイズ』などの企画制作で知られる映画製作プロダクション「アルタミラピクチャーズ」が破産手続開始決定を受けたと報じられた。
「同社は93年に設立。経営陣の一人が、専務取締役を務めていた周防正行監督(68)でした。
話題作が相次いだ’09年5月期の売上高は約3億円でしたが、近年はヒット作に恵まれず、’25年5月期の売上高は約5千400万円まで減少。資金繰りが限界に達し、東京地裁から破産手続開始決定を受けたのです」(全国紙記者)
同社は16日に公式Xを更新。これまで製作した作品の映像を編集した約3分の動画とともに、
《人生で少しでもアルタミラ作品に触れた皆さんに、ありがとうございました。いつまでも映画に夢を!》
と“最後のコメント”を投稿していた。前出の映画製作関係者は続ける。
「周防監督の映画作品は19年の『カツベン!』以来ありません。本来なら、彼が敬愛する小津安二郎さんの青年時代を描く作品で6年ぶりに撮影に入れると気合が入っていました。製作が中止になったことで落ち込んでいたと聞いています」
周防監督の妻で女優の草刈民代(60)も大きなショックを受けているという。
「同社最大のヒット作が『Shall we ダンス?』で、周防監督と草刈さんが出会って結婚する契機となった作品でもありました。
もともと周防監督には結婚願望がまったくなかったそうですが、撮影していた1カ月間、草刈さんから毎晩電話がかかってきたといいます。草刈家の忘年会にも招かれ『気づいたらプロポーズしていた』と話していましたね。周防監督の作品は基本的に同社が手がけていることもあり、草刈さんも彼の今後を案じていると聞きました」(夫妻の知人)
今年還暦を迎えた草刈は昨年、大手芸能事務所から独立して新たな活動を始めたばかりだった。昨秋のインタビューでは、力強くこう語っていた。
《4月からは、全部自分でやっています。マネージャーもいません》
《そもそも私は、オープンで自由なタイプなんですよ。60代は、もう自分でやっていくのでいいのかな、と。いろんな人と一緒に自由を実感しながら仕事するのもいいかなと思ったんです》(『週刊新潮』’24年9月26日号)
