[E:note]コーンは十五歳で歌に出会ったときに、そういう気持ちが、わかったわけですが、最初に音楽に入るきっかけは何だったんですか。コーン 学校では、私のキャラクターというか、私のしゃべり方とかが原因で、いろいろなことがあって、クラスメートになかなかうまく打ち解けなかったんですね。「なんだ、こいつは」的な感じで、一線を置かれていた感じだったんで、うまく入れなくて。でも、私は一人遊びが大好きで、けっこう単独でいる子だったで すけれど。そのときに、もう一人単独でいる女の子がいて、その子が歌をずっと目指して歌の学校に行ったり、本格的にやっている子だったんですね。でも、初めてオーディションで歌うとなったときに、その子が一人で行くのが怖いというので、周りを探したときに、同じように一人でいる子がいるというのが私で、この子なら一緒に行ってくれるかなと思ったらしくて。それで、声をかけられて。お友達でもない子に初めて声をかけられて。でも、嬉しかったんで一緒にくっついて行って。それが、歌を始めるきっかけだったんです。本当に初めは軽い感じで、友達というか、「誘ってくれた！」みたいな感じで行ったのがきっかけで。不思議と、初めはオーディションがきっかけになったんですけど、そこか ら「歌をやらない？ こういう歌があるんだけど歌を歌ってみない？」と言って渡されたデモテープが、私が歌いたい歌じゃないなと思ったのがきっかけで曲を作り始めたり。そこから出会う人が、音楽とかにつながって、こうなってきたという感じです。出会いとかが多かったですね。[E:note]音楽こそが、ファミリーを作ってくれたという感じですね。コーン いまも、いろいろ回り道したけど、結局はそうやってつながっていったんだなあと思います。[E:note]お母さんに「ありがとう」って言えた？コーン 言えましたねえ。初めは言えないから書いていたという感じだったんですけど、ライブを見に来てくれたときに歌って、それで、うちのお父さんとお母さんが「いま、何と言った？」みたいな感じで歌詞を聴いていたみたいなんですけど。そしたら、照れとかもあまりなくなってきて、いまは言えるようになりました。[E:note]これから、いろいろな人が映画を見てくれて、映画がきっかけにコーンを知ることになるかもしれない。そういう人たちに何を伝えた いというか、何をわかってもらいたいというのがありますか。コーン 私自身が思うのは、全部が「ありがとう」。うちの父親は、私が学校からいじめられて帰って来て、いじめられたことがバレたくないから、わざと遊びに行くふりして時間をつぶして夕方帰ってという感じだったのを、全部見抜いていたんです。そのときに父親が、「全部がありがとうと思いなさい」と。すごく嫌なことがあったら、そのやられた人に対してもありがとうと思ってみてごらんと言われて。なぜかというと、「もう、そうしたらいけないとわかったでしょう」と言って。「そしたら、もうそんなことしないよねえ。だから、その人にありがとうと思いなさい」って。愛情をくれる人には、もちろんありがとうだねって。いろいろなことに「ありがとう」という言葉をつけることを意識するというのを教えてくれた。そしたら、本当に何があっても、「おっ、強くなった」とか思えるんですよね。ほんとに「ありがとう」というキーワードを心のどこかにしまっておいてもらえたら、すっごい嬉しいなあと思います。
