エキゾチックな長い黒髪と黒く大きな瞳。「なんくるないさぁ」と笑ったときの、真っ白な歯がのぞく大きな口元。この見るからにダイナミックな印象の女性が、今回の歌姫・普天間かおり。沖縄の琉球王朝の子孫と聞くと、その気品に満ちた大らかな佇まいが、どこか神々しくも見えてくる。
メジャーデビューから7年。昨年6月にリリースしたシングル『守りたいもの』のロングヒット、さらに同年11月、『守りたいもの』も含め、選りすぐりの楽曲10曲を収録したアルバム『Precious』を発売。いま、シンガーソングライター、普天間かおりとして一つの成熟期を迎えている。
透明感のある優しく心をなでる歌声…。“沖縄音楽”という一つの枠にとどまらず、ポップであり力強くもあり…多様な色を奏でる。そして、自分が届けたいメッセージを、大切に大切にリスナーに届けようと、真摯でまっすぐに挑む彼女。
一言でいえば、歌手になるために生まれてきたような女性……。まさに、生まれながらの歌姫である。(撮影/徐 美姫)

011_2 [E:note]今回、7月23日にリリースされたDVD付きCDですが、こちらは昨年6月に発売された『守りたいもの』の再発売だとか。
普天間:はい、今回はDVD付きでジャケットも一新しました。というのも、曲を聴いて下さった方々の反応がいろいろなところから私に届いてきたのと、有線でパワープレイしていただいたことなどがありまして……。

[E:note]新しいジャケットは前のデザインとかなり違ったものとなっていますよね。
普天間:昨年、最初に『守りたいもの』の制作をスタートさせたときは、みなさん、きっとそれぞれにかけがえのない存在やモノがあるだろうなぁと思ったんですね。それを私が何、と言い切るというよりも、みなさんの中でイメージがいろいろ広がるような形にしたかったのです。最初のジャケットの写真では、私の手の中の花にだけ色をつけたのも、そんな私なりの想いですね。それぞれの方の守りたいものは何なのか……。

[E:note]ジャケットにそんなメッセージが込められていたのですね。
普天間:そう、大切なものにだけ色をつけたかったのです。それから、これからの普天間かおりは新しい作品もたくさん作りたいし届けたいと思っています。けれどその前に、もう一度一人一人に丁寧に届ける作業をしないと悔いが残るのではないかという気持ちもあります。そんなところから今ではめずらしく『守りたいもの』を再発売することにしたのです。

[E:note]新しいジャケットは、またイメージがガラリと変わってとてもカラフルにされましたが。
普天間:はい、写真を見ていてポッと明るくなるような、温かくなるような、そういうものを表現できたらなぁと思ったんです。それと、あまりリアルな写真というよりちょっとファンタジックな形 でイマジネーションが膨むといいなぁ、と今回変わったものになりました。

[E:note]音源は元のままで再録はされていないということですが、DVDを付けられたのには理由があるのです012か?
普天間:ふだんライブ活動を中心にやっていますけれど、ライブではこの『守りたいもの』に込めた思いを、今の私から直接みなさんに想いを言葉で届けられます。でも、なかなかライブに行けない方、また、たまたまラジオで耳にし、CDを探して曲に出会ったという方には歌しか届かない。歌と合わせて、さらに想いを届けるにはどうしたら良いのか? と考えまして、歌のほかにメッセージをDVDで添えようということになったのです。

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