[E:note]ふだん作詞されるときはどういうような感じで?
普天間:引きこもって…(笑)、作るぞ~って感じが多いです。でもその前にいくつかモチーフになるもの、材料集めはいつもやっていますね。自分がアレッ? ひっかかるなぁというものはいくつかとって置いて、これはなんかふくらみそうと予感が走り、思いが膨らみ始めたときに、よし! って感じでやっています。
[E:note]詞を書くことが苦であるとかはない?
普天間:苦しいときもあります(笑)。現実逃避して、ずっと食べ続けるか、寝続けるかをしていたいくらい! 食べることが大好きなんですよ(笑)。本当にできないときもありますよ、そのできないというのは、自分の気持ちとか頭の中に浮かんでいる映像、ビジュアルのイメージはすごくはっきりしていても、それを完璧に言葉で表すことができないとか書けないということで、それは苦しいですね。そのギャップを埋めないと、違う表現で違う温度で出すのは嫌だし、極力ギリギリまで粘って、だからレコーディングのギリギリまで歌詞を変えることもありますね。
[E:note]歌とは関係ありませんが、自分の性格はどんなふうに分析されていますか?
普天間:基本的に明るいですね。あとは沖縄の血かもしれませんが、「なんくるないさ~」という方言があって、あまりくよくよ引きづらない。困っても、「なんとかなる、はず?!」っていう、いい意味で楽天家なので、そのぶん周りに迷惑をかけているかもしれませんけど…(笑)。根拠のない大丈夫というのがありますね。
[E:note]そんな部分をきちんと受け止めてくれる男性はいらっしゃいますか? 東京の男性は神経質だと思うことはありませんか(笑)。
普天間:あんまり思わないですね。逆に、こちらの人は、なんてきめ細やかで優しい人が多いのだろうと感動したくらいです。沖縄って、わりとみんな全体にのんびり大らかでしょう。それはそれで心地がいいのですけど、食事も、沖縄は旬がないからゴーヤチャンプルが年中無休(笑)。食べ物の時期や色合いもそう、四季という感覚がないのですよ。それをこちらの人は、春には春の、夏には夏の旬の食べ物を待ちわびたり、季節の変化に気持ちも動かされたり。「心の機微」というのかなぁ、そういう繊細さは素敵だと思うのです。それは人とのやり取りでも同じで、ここは触れないほうがいいかなぁって考えてくれる。それがもしかしたらマイナス面もあるかもしれませんけど、沖縄の場合は「なんでね~?なんでいわん!言いなさい!」ってどんどん入ってくるから(笑)。そういう環境の中で育ってきた私から見たら、優しさを感じます。
[E:note]結婚などはこちらの人でもOK?
普天間:そうですね、私は気にしないです。沖縄の人は沖縄が大好きな人が多いので地元の人がいいという人もいますよね。何年か前にうちの親戚のおばさんは「沖縄の人と結婚しなさいよ」と言っていましたけれど、祖母からは「どこの人でも、どこの国の人でもいい。心のキレイな人だったら、どこの人だろうと関係ない」と言われていまして。でも、まったくその気配がないので……(笑)。だんだんそういう話をしなくなっていますね。
[E:note]普天間さんから歌のない人生なんて考えられないでしょうね。 普天間さんには歌うこととはどんなことですか?
普天間:すごく難しい質問ですね。私にとって歌は、「自分がここに生まれてきた証を探す旅」のような感じだと思います。やっぱり最後は、「あの人にとって歌うことは天職だったね」と言われたいですから、おばあちゃんになるまで唄っていられることを目指したいですね。そして、「自分は歌うべき人だった」と自分自身が思えるくらいの生き方ができたらすばらしいですね。だぶん、人それぞれ、その人しかできないことってあると思うので、私にとって歌がそうであったらいいなあと思いますね。