[E:note] 曲作りが今のような体制になってどのくらい経つのですか?
石野田: この3年くらいですね。今は自分が目指すもの、自分が届けたいと思うものをそのまま作れる。メジャーにいたときはまだ若かったし、何もわからないままで、みんながいろんなことを用意してくれて。周りが準備してくれたことをただやる、という感じでしたからね。
[E:note] それが約10年ぶりに、来年早々、メジャー再デビュー!! となるんですよね。メジャーでのリリースのお話が来たときはどんな心境でした? とうぜん、うれしい~!って感じだったのでしょうか。
石野田: いやっ(笑)!人間不信の部分があるので、「ぬか喜びをしてはいけない、いつボツになるかわからないから浮かれてはいけない」と思いましたね(笑)。ただ、一度メジャーから落ちて、もう1回メジャーに行くことは難しいことですから、うれしいことではあります。ファンの方々の反応も「石野田が、一生懸命頑張ってきたから、またメジャーに戻れたんだね、これからも応援するよ」といったうれしい!って感情のものと、石野田が遠くに行ってしまうような、寂しいという感情のものとわかれますね。
[E:note] メジャーにいっても変わらないぞ! と思っていることはあるんですか?
石野田: もちろんライブ活動は続けていきたいと思っていますし、この3年間、私を支えてくれたスタッフと自分、やりくりして自主制作活動してきたなかで、歌を届けられる人が限られている、というのも感じてきました。インディーズだと、やっぱり、多くの人に歌を聴いていただく機会を作るのがなかなか難しいんですよね。そういう意味では、私の歌を聴いて、何かを感じ取ってもらえる。そういうチャンスがもらえたと思っています。イエ~イ!!っていうようなテンションを上げた感じというより、よし!ここから気合を入れてやらないとまた失敗するぞ!というキモチですね(笑)。
[E:note] 若くしてご苦労されたからでしょうね(笑)。
石野田: そうですね(笑)、でも、その時代があったからこそ今の自分というものがあって、かえって良かったんだと思っています。もし、あのままダラダラ行っていたら、いろいろな人のありがたみとかわからなかっただろうし…・・・。
[E:note] 石野田さんの書く歌詞が、その時代と今では変わったりするものなのですか。
石野田: 基本的に自分の想いを歌うというスタイルは変わらないんですけど、今までずっと、自分のために自分を励ます!であったり、自分の気持ちをぶつける曲というのを作ってきたんですよね。正直、それを聴いた人がうれしくなったり元気になったりするのは二の次という感じで、とにかく、自分のために歌を作っていたんです。それが去年、『わたしのうた』というアルバムを出して、全国のラジオ局を回って自分の歌をかけていただいたり、ライブツアーで全国を回ったり、そのときにたくさんの人からメッセージをもらったんですね。「元気が出た!」とか、「諦めないで頑張る!」、「身近な幸せに気づけました!」というメッセージをたくさんいただいて、すごく勇気づけられたんです。そういうふうに思ってくれている人がいるってことが自分の力になったんですよね。だから、その人たちが私の曲で少しでも元気になってくれて、前向きになってくれたらうれしいなぁと思ったんです。