ヒュー佐藤がレポート!!―劇団四季『アイ―ダ』公開直前レポート―
10月3日、電通四季劇場[海]で開幕する、劇団四季とディズニーのミュージカル『アイーダ』。6年前の大阪初演を皮切りに、京都、福岡、名古屋と周り、ついに待望の東京入りを果たす。
「3年前の福岡公演以来のアイーダ役への挑戦となります。初めての東京公演開幕がとても楽しみです。初日まで、さらに高みを目指して稽古を進めたいです。」
そう話すのは、主役・アイーダを演じる濱田めぐみ。これまで600回以上アイーダを演じ、「自分にいちばんインスピレーションを与えてくれた役」と意気込みも半端ではない。
ヴェルディのオペラでも知られる、古代エジプトの悲恋をモチーフにエルトン・ジョンの楽曲が耳に残る今作品。濱田演じるアイーダは、敵対するエジプト将軍ラダメスと恋に落ち、これにラダメスの婚約者であるエジプト王女、アムネリスがからみ、三者三様の葛藤が4千年の時空を超え、現代の観客を巻き込んでいく。
「古代エジプトは人種差別があり、国や階級の違いが悲劇を生んでいる。現代は、状況は違いますが、それぞれの制限の中で、迷いを抱えて生きなければならない。男性リピーター観客が多いのも、現代に照らし合わせてリアルな物語だからだと思います」
9月24日に横浜あざみ野の四季芸術センターでは公開稽古でも、舞台に登場したその瞬間から、彼女の放つ気迫のオーラが会場中にみなぎった。
半端ではない緊張感に包まれながら、劇的なエルトン・ジョンの音楽とともにはじまった本番同様の通し稽古。マスコミが入ったことから、「やはりいつもと違った緊張感でした」と、アイーダの恋敵・王女アムネリス役の五東由衣も本番さながらの気合のこもった演技を見せた。
「愛の物語ですので、多くの方にお越しいただきたいです。ファッションショーやスパのシーンで女性の美しさを表現していきたいです」(五東)
アイーダと恋に落ちる敵将ラダメスを演じるのは、渡辺正。ハンサムな容姿とかっこいい殺陣、ヒーローそのものの渡辺は、
「ラダメスとしての役割をきちんと果たすことで、完成度を高めたい。横柄な将軍が、アイーダという女性と出会うことで誠実な男に変貌していく様を表現したいです」
濱田も、改めてこう意気込みを語った。
「初めての東京公演に向けて、毎日けいこ場で作詞家や作曲家の感覚や『作品が求めているもの』を客観的に認識しながら、台本と向かいあっています。プレッシャーもありますが、早くアイーダと一体化して舞台に立ちたいと思います」
アイーダは自分にとってただの演目のひとつではない、とキッパリ。
「スピリチュアルに響く部分があるんです。それがお客様にも伝わるんだと思う。1人でいらっしゃるリピーターが多いのも、自分の内面を見つめられる作品なので、きっと自分の中の旅をするために、1人で舞台に向き合うんだと思います」
世界的大不況で心が荒れた時代。そんな時代だからこそ、他人の意見に流されそうになりながらも、“純愛”を貫く男女の信念の物語は、観る人の心を打つ。
濱田渾身のアイーダを見逃すな!
濱田めぐみ
8 月2日生まれ、福岡県北九州市出身。‘95年劇団四季のオーデションに3回目で合格。
『美女と野獣』『ライオンキング』『アイ―ダ』のディズニーミュージカル3作品ですべてヒロインを演じた唯一の女優。
『アイ―ダ』
東京・電通四季劇場[海]にて、10月3日より開幕!
お問い合わせは劇団四季予約センター℡0120-489444
(午前10時~午後8時)まで。