イギリス英語をマスターし、ロンドン公演に臨みます

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主演の市村正親をはじめ、高橋和也、スティーヴン・ボクサーら、日英の一流俳優陣が集合。

名門、ロイヤルシェイクスピアカンパニーの芸術監督が演出を手がける、日英合作の舞台『家康と按針』が12月1日(土)~2日(日)上演されます。

古川雄輝(24)さんが演じる日本人宣教師・ドメニコは、家康の寵愛を受け、日本史上初の青い目のサムライとなったウィリアム・アダムズ(日本名・三浦按針)を支えた通訳。

せりふの半分が英語という設定は、幼少期を海外で過ごした帰国子女の彼にとって、まさにうってつけの役。

-今回、12月1日から上演される『家康と按針』。古川さんは、家康とウィリアム・アダムズ(日本名・三浦按針)の通訳を務めた、日本人宣教師・ドメニコを演じるため、せりふの半分は英語と聞きました。古川さんは帰国子女で、英語はネイティブなんですよね?

3年前、『ANJINイングリッシュサムライ』というタイトルで上演され、今回は再演となります。タイトルも今回、『家康と按針』と変わって、家康役の市村正親さんを除き、ウィリアム・アダムズ役ほかキャスト陣も大幅に変わりました。来年1月、イギリスで公演を視野に台本も再構成されています。そのため、もともと日本語だったセリフが英語に変わりましたし、英語の台詞もかなり多いですね。僕は、英語は大丈夫なんですが、イギリス英語を話さなければならなくて」

-アメリカ英語とイギリス英語はかなり違うんですか?

「そうですね、だいぶ違います。とくにRLの発音が違って、Rの発音も舌を巻きすぎてはダメなんです。イギリス英語を話そうとしても、アメリカ英語っぽく聞こえてしまう。時代的にアメリカ(英語)はまだないですし、今年8月、イギリスで演出のグレゴリー・ドーランと会ったときも、『アメリカ英語が出てしまうくらいなら、下手な日本語英語のほうがいい』とまで言われました」

-ほかの出演者の方は、英語を話すシーンはまったくないのですか?

「そうですね、日本人キャストは、僕以外はほとんど話しません。イギリス人のキャストのサム・マークスさんという方が少し日本語を話しますね。イギリスに行ったときにお会いして日本語をちょっと教えてきました」

-英語の作品をやってみたいと思っていた理由は?

「まず、英語が得意なので、それを生かしたい。あと、海外で活躍している日本人の方をすごく尊敬しているんです。渡辺謙さんもそうですよね。7歳からカナダに住んでいたこともあって、たとえば、人じゃなくても電化製品とか、外国で評価されるものを見ると、日本人としてすごく誇りに思うんです。『これは日本の製品なんだぜ!』とか、『このアニメは日本のなんだよ!』と。、そういう意味でも、自分もいつか海外で活躍したいという気持ちもありますね」

7歳でカナダに行かれたということですが、それから11年間ずっとカナダにいらっしゃったんですか?

「カナダに8年、中学を卒業してから、高校でニューヨークに単身で渡り、夏休みとか冬休みはカナダに帰る感じでした」

-トータルで11年の海外生活。古川さんの中で、日本人という意識がすごく強いようですね。

「そうですね。日本は大好きです。ニューヨークの高校も日本人がいる学校に行きたくて受験したんです。日本は、食べ物もテクノロジーも、海外のどの国にも負けず、優れている点がところがたくさんあります。住んで楽しいし、とにかく何もかも便利。アニメだけでなく、テレビドラマもバラエティーも面白いと思います。僕は、海外の番組も見ますけど、外国に住んでいたときは、よく日本のものを借りて見ていました」

-カナダでも有名だった日本人は?

「ビートたけしさんですね。でも、人物以上にやっぱりアニメ。『遊戯王』や『ドラゴンボール』が流行っていました」

-もともと、この出演のお話がもらう前から、作品について知っていましたか?

「これが決まる前にDVDは観ていたので、作品は知っていました。僕自身、英語が話せることを活かし、いつか海外の作品をやりたいと思っていたんです。その中でこの作品に出演できることになって、しかも観たことのあるものだったので、すごく嬉しかったですね」

-舞台出演は、『家康と按針』で何作目になりますか?

「小劇場の作品に3回ほど出演しています。これまでで一番大きな舞台は、今年4月、『エンロン』という海外作品をやったんですが、その作品では今回もご一緒する市村正親さんと共演させていただきました」

-市村さんはどんな印象ですか?

「『エンロン』のときは、本当にいろいろ気にかけてくださり、面倒を見てくださって。僕が、長いせりふがあってすごく悩んでいたとき、本来は僕が、『市村さん、教えてください』と言うべきところを、市村さん自ら、『あそこは、こうしたほうがいいんじゃないか』と教えてくださいました。それに、『こうしなさい』とは絶対言わない、強要はしないんです。次の日、市村さんに教えていただいたことを試してみると、舞台袖から見ていて、グー!ってやってくださるんです。「あそこよかったね」とか言うのではなく、まず笑顔でグー!って。そして、その後、『あそこはよくなったから、ここはこうやったほうがいいんじゃないかな』って教えてくださるんです。本番が始まっても、そうやってずっと僕のせりふを聞いて、いろいろ指導してくださいました」

-一つずつアドバイスをくれるという感じなんですね。

「そうですね。やはり、演技というのは正解がないものなので、何回もアドバイスしていただきました。今回の『家康と按針』のこともずっと気にかけてくださって、『台詞、一緒に練習しよう』と携帯番号も交換しました。そうしたら、この前、市村さんから電話がかかってきて『息子の誕生日が何月何日なんだけど、英語でなんて言うの?』って聞かれたので、お教えしたら、『嫁もよろしくって言ってるから』とお礼を言われてしまいました(笑)。『家康と按針』では、前作よりも長いせりふがあるので、市村さんにグー!をもらえるように頑張りたいと思います」

-長いせりふはどのように覚えるんですか?

僕は家でテレビをつけながら覚えます。静かな場所が嫌で、ざわざわしている中でやるほうがはかどるんです。集中力が切れてきたら、ちょっとテレビを観たりして、それからまた戻って、みたいな感じで。学生のころ、テスト勉強をするときもずっとテレビを見ながらやってましたね。はじめはテレビを見ながらやっているんですけど、そのうち気づくと見なくなっている。勉強をやっていて疲れたら、ちょっとテレビを見て、と。だから、勉強していたときと同じですね。また、覚えるのに時間がかかりそうなせりふは、携帯で写メを撮っておき、いつでも見られるようにして暗記するようにしています」


*プロフィール:

ふるかわ・ゆうき★871218日生まれ、埼玉県出身。7歳からカナダへ移住。10年、慶應大学在学中に『キャンパスターH★50withメンズノンノ』で審査員特別賞を受賞。同年、舞台『恋ばば14歳』でデビュー後、ドラマ『僕とスターの99日』(TBS系)、映画『高校デビュー』(11年・英勉監督)などに出演。4月の舞台『エンロン』でも、市村正親と共演している。

*作品紹介:

舞台

『家康と按針』

演出/グレゴリー・ドーラン

神奈川公演/121日(土)~2日(日)、KAAT神奈川芸術劇場にて。東京公演/1211日(火)~16日(日)、青山劇場にて。来年1月には、ロンドン公演も予定されている。

2009年に東京・大阪で4万人を動員する大人を記録した日英合作舞台『ANJINイングリッシュサムライ』が、来年1月のロンドン公演に向けて台本を再構成した『家康と按針』として蘇る。

日本に漂着したイギリス航海士が、家康と出会い、いかにしてサムライとなっていったのか――。

 

 

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