壮大なスケールと独特の世界観で、ファンを魅了し続ける『銀河英雄伝説』。数千年後の未来、宇宙で繰り広げられる「銀河帝国」と「自由惑星同盟」の戦いを描くSF小説だ。前者には〝常勝の天才〟ラインハルト・フォン・ローエングラム、後者には〝不敗の魔術師〟ヤン・ウェンリーが主人公として登場する。
’82年から5年にわたって刊行され、トータルで千500万部を超える大ベストセラーとなっているが、過去7回の舞台版を盛り上げてきたのは、それ以降に生まれたキャストたちだ。そして、公演間近の最新舞台『銀河英雄伝説 初陣もうひとつの敵』でヤンに扮ふんするのは、NHK連続テレビ小説『おひさま』などにも出演した、田中圭。
「河村隆一さんがヤンを演じられた、前作の舞台を見ました。とてもレベルの高いエンタテインメントで、まるでショーのようでしたよ。限りなく大きな物語の一部だけを切り取っているのに、登場人物のキャラクターや関係がしっかりと描かれていて。シリーズを通して見ていなくても楽しめました」
今作では、ライバルのラインハルトとヤンが出会う前のエピソードが描かれる。遠い未来の銀河系でも、今の地球と同様に戦いは絶えず、ふたりは敵対しているように見えるが……。
「お互い、理想を追い求める戦いを続けています。平和を築くという目的は同じなんですよね」
ヤンは厳しさの中に優しさも見せ、登場人物でも独特の空気感を持つ存在だ。
「みんな思いはいっしょなのに、どことなく浮いて見えるのが、ヤンの魅力だと思います。ひょうひょうとしていて。いつも思うんですけど、僕の出演作品を見てくださったお客さんが、今の場所から前進しようとするときに、背中を押してあげる力になれたらうれしい。それが役者の醍醐味だと思いますね」
『銀英伝』の客席には、母娘の姿も多く見かけるという。現実から離れ、別世界を堪能したいと思うみなさんは、ぜひ舞台へ!
■プロフィール
たなか・けい★’84年7月10日生まれ、東京都出身。俳優。’03年、ドラマ『WATER BOYS』(フジテレビ系)に出演、注目を集める。おもな出演作にドラマ『私が恋愛できない理由』(フジテレビ系)、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)、映画『相棒シリーズX DAY』『図書館戦争』(ともに’13年)、舞台『幻蝶』『鎌塚氏、すくい上げる』などがある。
■告知など
舞台
『銀河英雄伝説 初陣もうひとつの敵』
8月1日(木)〜6日(火)、東京・日本青年館大ホールにて。オフィシャルサイトはhttp://www.gineiden.jp/uijin/