Vol.1「私自身も小室さんに”これだけ成長しました”ってアルバムを見せるような感じなんです」
――新曲『graduation』久々に小室さんとのコンビが復活とのことですが?
鈴木亜美:私も10代のころ、ずっと小室さんに手がけて頂いていて。最近avexのイベントやエィネーションで、何度かお会いしていたこともあったので安心していました。小室さんだったらダンスミュージック系はこういう感じ、バラード系だったらこういう感じって、何となく心構えもできていたのですごくすんなりと、懐かしいなぁ、ありがたいなぁという気持ちで受け止めましたね。
――15周年に合わせて小室さんともう一度仕事をするというのは鈴木さんにとって特別な感情が?
鈴木亜美:そうですね、言ったら小室さんとは親戚というか家族みたいな存在なので、詩にもリンクするんですけれど、学生時代の制服姿をずっと見ていた小室さんが、私が大人になって30歳を過ぎて、また改めて手がけてもらえたというのは私自身も「これだけ成長しました」ってアルバムを見せるような感じで、そういう気持ちで小室さんが書いていただいた曲に、詩をのせて、戻すことが出来ましたね。
――イントロも結婚式の鐘みたいな感じですが。
鈴木亜美:そうですね。最初、サビだけ詩を書いて、録音したんです。それで季節に合わせて、4月だったので卒業シーズンだなということで卒業をテーマに書いていこうと思っていたんですが時期がずれて6月ぐらいになるのが分かってまた詩を書き直したんです。シーズン的に結婚シーズンだったので、卒業と言ったらやっぱり結婚では親から卒業するという意味になりますし、人生において何回も卒業をして、また新しい出会いがあって卒業をする。新しいことにチャレンジして…っていうことを改めて考えたときに、学校を卒業するのも、結婚をするのもそうだなと。「卒業」って言葉が“悲しい”、“寂しい”というイメージかもけれど、私の中ではまた一歩前に行けて、幸せに向かって歩いて行くという意味もあるなと思っています。卒業=4月というイメージから逆に結婚をして親から卒業するという大人の気持ちにちょっと変えて子供時代~学校~卒業、出会いと別れを繰り返して、噛みしめて頑張ってきた私は、これからこういう風に進んでいきますよっていう長いストーリーに書き換えました。
――親からの卒業=結婚という?
鈴木亜美:そうですね、学校を卒業する次はなんだろうなって思った時に親から卒業する、そしてまた自分が新しい家族を築いていって、いつかまた自分の子どもも自分から卒業していく、「永遠につながっていることなんだな、卒業って」ってすごく思って。
――そういった形で詩を書かれたということですね。どうですか、結婚について年齢的にはリアルに感じてきてますか?
鈴木亜美:そうですね、現実的にというか私の周りでは友達はもう結婚していて、子供もいてという中で、私も若いころは結婚てすごく憧れて、こう、ヴァージンロード歩いてとかっ。いつか自分もと思うんですけど、意外と年齢を重ねていくと、それも恥ずかしいな、照れくさいなっていう風になってます(笑)。十分みんなに色んな姿を見てもらっているし。割りと結婚したいという気持ちよりも、「いつか自分も家族を持ちたいな」「人を育てたいな」という風に思い始めて。今まで自分が育ててもらっているし、この業界でもすごくいい経験を沢山させてもらって、これだけの色々なものを続けているという歴史を、刻ませていただいているので、いつか自分がそれ以上のものをちゃんと守っていきたいなという気持ちはあります。ですから昔思っていた結婚像と、今描いているものとは全然違いますね。
――親に育ててもらっていた自分が今度は新しい子供なり家族っていうものを作っていきたい、育てていきたいっていう気持ちなんですね?
鈴木亜美:進むべき場所はそういうところかなと思います。小室さんに久々に曲を書いていただいたのも、当時私が何も知らずにデビューをして、今回は前もって楽曲をもらって自分で詩を書いて、自分の中に吸収して録音が出来たので、「私は成長しました」っていうものを初めて小室さんに返せてるかな?っていう気持ちですね。