「本当に、心臓バクバクでした」そう語りながらも、どこか達成感のある表情を浮かべるのは勧修寺保都(19)。美輪明宏演出・主演の舞台『毛皮のマリー』のメインキャストに抜擢された、いま注目の新人俳優だ。都内某所で行われた同作のビジュアル撮影後にインタビュー。フレッシュな意気込みを語ってくれた。
勧修寺は’14年の『第27回JUNONスーパーボーイコンテスト』でファイナリストに選ばれ芸能界入り。今回、俳優1年目にして倍率約300倍の“絶世の美少年”欣也の役を勝ちとった。
これまでいしだ壱成、及川光博、吉村卓也が演じてきた大役にプレッシャーを隠せない様子。そんな勧修寺を美輪明宏は温かく指南しているという。
「初めて美輪さんとお会いしたのはオーディションの最終選考のとき。美輪さんもセリフを言ってくださって一対一で演技をしました。今もたくさんアドバイスをくださるのですが、印象に残っているのは「前髪は上げたほうがいいわね。あと眉毛はいじらないで」という言葉。今回の作品だけでなく、僕の今後のことも考えてくれているのだと感動しました」
合格の連絡を受けたのは昨年の12月5日。その日は偶然にも勧修寺の誕生日だった。
「マネージャーさんとご飯を食べていたのですが、びっくりしてしばらく食事が喉を通りませんでした(笑)。真っ先に母親に連絡をしたら『選ばれたからにはしっかり欣也になって、役を全うしなさい』と。最高の誕生日プレゼントになりました」
これまで2作の舞台を経験。初舞台の『神様と過ごした10日間 2015』では主演も務めた。映画やドラマだけでなく、お笑いからも芝居のヒントを得ていると勧修寺は話す。
「もともとお笑いが好き。お芝居とは違う分野に思えますが、お笑い芸人さんたちが役者としてドラマに出ても演技が自然で上手なんですよね。日頃から台本を書いて、ネタを合わせてお客さんに見せる。そういったところが俳優と近いものがあるのかな、と。コントを見ながら勉強しています」
こうして歴代の欣也を演じてきた俳優たちの名前が刻まれている衣装を受け継いだ勧修寺。2月の稽古開始に向け、意気込みも十分だ。
「衣装のシャツのタグには及川光博さんの名前が書いてあります。歴代の欣也が作り上げてきた世界観を崩さず、そしてより良い作品になるように全力で取り組んでいきたいです」
どこかミステリアスな雰囲気を纏う瞳に凛々しい眉、中性的ながら少年らしさも残る顔立ちは紛れも無く美少年だ。しかし、ハニカミながら話す姿は等身大の19歳そのまま。
「性格はうるさくもなく、無口でもなく、いたってフツーです(笑)。最近は料理を始めました。得意なのは厚焼き玉子。だから、料理が苦手な女性には僕が作ってあげたいな。好きな女性のタイプは、明るくて言葉遣いがきれいな子」
最後に、挑戦の年になるであろう2016年の目標をたずねた。
「今年は10代最後の年。まだ知らないことだらけだからこそ、舞台や映像などジャンルを問わず色んなことにチャレンジしていきたい!」
(撮影/加治屋誠)
プロフィール
勧修寺保都(かんしゅうじ・たもつ)
’96年12月5日生まれ/東京出身
’14年『第27回』JUNONスーパーボーイコンテスト』のファイナリストに選出されたことから芸能界デビュー。’15年『神様と過ごした10日間 2015』で舞台初挑戦。11月に行われた『毛皮のマリー』のオーディションで、約300人の中から美輪明宏演じる日本一美しい男娼・毛皮のマリーに過保護に育てられる絶世の美少年・欣也役に選ばれた。
公式サイト:http://www.ygfamily.jp/actors_kansyujitamotsu.html
Twitter:http://twitter.com/kansyujitamotsu
舞台『毛皮のマリー』
【東京・新国立劇場 中劇場】
‘16年4月2日(土)~17日(日)
【渋谷 パルコ劇場】
4月27日(水)~5月3日(火・祝)
【横浜・KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉】
‘16年5月28日(土)、29日(日)
その他の公演日程
‘16年5月6日(金)予定 仙台・東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
‘16年5月17日(火)予定 福岡・福岡市民会館
‘16年5月24日(火)予定 名古屋・愛知県芸術劇場 大ホール
‘16年5月26日(木)予定 浜松・アクトシティ浜松 大ホール
‘16年6月2日(木)~6月5日(日)予定 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
‘16年6月8日(水)予定 福島・郡山市民文化センター 大ホール
‘16年6月10日(金)予定 新潟・新潟県民会館 大ホール
公演に関して詳しくは下記をご覧下さい。