「(娘の沙也加は)小さいころから歌が好きだった。まだ幼稚園のころかな。カミさんのクリスマスソング(松田聖子のアルバム『クリスマス・ツリー』)のレコーディングについていったり。CDを聴くと子供が歌ってるから、『沙也加?』って聞いたらそうだって」
そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第66回のゲスト・俳優の神田正輝さん(65)。スキーやダイビングなどの趣味を持つアクティブな神田さん。山小屋のおやじになりたかったという青年が、いつしか“石原軍団”の名俳優に。神田さんとは28年来の仲で、石原プロモーションにもゆかりのある中山がお話を聞きました。
中山「いずれ沙也加さんが結婚となったときには、どうですか」
神田「結婚、いいんじゃない。沙也加が17歳くらいのときに、『誰と付き合って、一緒に暮らしたり何してもいいけども、隠れてコソコソするな』『周りがなんとかするし、そんなに怖がる必要ないから』なんて話をしたね。いろんな経験したほうが選ぶときにいいでしょ」
中山「僕は子供が全員男なので、女のコだとそういう距離感が難しそうだと感じます」
神田「根本は男でも女でも変わらないと思うんだけど、女性の場合は女性に聞かないとわからないことが多いのかな」
中山「それはお母さんと話すんでしょうね」
神田「母と娘っていうのは特別なのかな。むかし、カミさんがお母さんとケンカして泣いて帰ってきたときに『お前のおふくろさんはひどいな』って言ったら、『あなたに言われたくない』って怒るの。あなたとは夫婦、あっちは親子、これは地雷踏んだなって。僕の人生、地雷ばっかり踏んでいる気がする(笑)。でもね、いっぱい失敗したほうがいいと思う。どんな経験だっていつか役に立つから」
中山「大事なものは残りますもんね」
神田「ヒデちゃんの言うとおりだね。結婚も、僕は1ダース(12年)しかいかなかったけど、長くいる人はすごいと思う半面、ひとりでいるとラクだなって思うこともあるし」
中山「再婚は考えないですか?」
神田「全然ないね。いまは空飛ぼうが、海潜ろうが自由だから。時間をかけて作ったこの自由を逃しちゃいけないよ(笑)。時間をかけて作ったものだから」