時任「またチャンスがあれば共演したい、という気持ちがずっとありました。今回の映画での2人の関係や設定が、実際の2人に近いものがあったので、即答で『やります!』と。20年ぶりって感じはしませんでしたね。何年か会っていなくても、つい昨日会っていたような間柄です」
中井「僕も久しぶりな感じはしなかった。僕らは戦友という感じ。いつでも同じ現場にいられる仲だと思います」
今秋公開の映画『グッドモーニングショー』で、ドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)以来、およそ20年ぶりの共演を果たした時任三郎(58)と中井貴一(55)の2人。資料として用意した30年以上前の雑誌の対談記事を前に「懐かしい!」と笑い合う。今回の対談も終始、仲よしぶりを見せつけてくれました!
−−『ふぞろいの林檎IV』以来、約20年ぶりの共演になりますね。
時任「(ドラマ『ふぞろいの林檎たち』の撮影)当時は、今と撮り方が違っていて、シーン全部にリハーサルがありました。そのリハーサルでだいぶ、鍛えられて」
中井「鍛えられるというより、しごきですよ。本当、すごかった」
時任「それをクリアするために、電話で読み合わせをしたりして。実際に会って読み合わせをしたりもしたね」
中井「携帯がない時代。家の電話で夜にセリフ合わせをして。リハのためのリハ」
時任「その要求がいちばん高かったのが柳沢慎吾だったね」
中井「そう、よく電話がかかってきたよね『セリフ合わせてくれ』って」
時任「慎吾と3人だと、ほとんど慎吾が1人でしゃべってるんだけど、そこに貴一がツッコむと慎吾が盛り上がっちゃう、っていうパターンだったね。俺はそばで笑って見てる」
中井「本当に学生の延長みたいだった」
時任「今でも変わらないね、俺たちは。ドラマが終わって何年かたって、3人でステーキ食べに行ったときも、『今から慎吾の別荘行こうぜ』って。若いころのノリが戻ってきちゃうんだよね」
中井「終わってから10年くらいたってた。都心で食事してて『おまえ、小田原のほうに家買ったんだろ』って聞いたら『温泉ついてんだ。お父さんとお母さんが入れるように買った』って。『すごいな、偉いな。今どうなってんの?』『実家に近すぎて行かねえんだよ』って言うから、『じゃあ、行くか!』ってそのまま車で行って、温泉入って」
時任「押しかけたよね(笑)」
中井「散々バカやって、帰る(笑)」
時任「その数年後、全く同じレストランで食事してて『そういえばそんなことしたね』『じゃあ、行くか!』って。本当にまた行っちゃって」
−−映画『グッドモーニングショー』はワイドショーがテーマの映画ですが、ワイドショーは見られますか?
中井「見ますよ。占いでよくない結果になると残念な気持ちになりますが、『ラッキーカラーは赤』って出ると、赤いハンカチを持って外出したり(笑)」
時任「僕もワイドショーは見ますが、占いになったら、チャンネル変えます(笑)。中井さんは、もう映画見た?」
中井「見ましたよ。モントリオール国際映画祭でね。公開処刑みたいでした」
時任「公開処刑?(笑)」
中井「向こうのお客様は辛辣で、つまらないと途中で帰ると聞いていたし……。でもあんなに外国のお客様が笑うとは思わなかった。同じ価値観なんだと感じました」