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「やっと会えたという気持ちと夢が叶った実感で、もう胸がいっぱいでした……」

 

そう語るのは、10月14日に第一子となる長男を出産した川村ひかる(37)。これまで本誌は2度インタビューしてきたが、出産は“死のリスクとの闘い”でもあった。

 

23歳で子宮内膜症、31歳で若年性更年期障害と診断された川村。14年10月には脳動脈瘤が発覚しており、妊娠・出産で破裂する危険性があったという。だが彼女はかねてより「卵胞の数が少なく、妊娠しにくい」との診断を受けていたため、結婚前から不妊治療を続けてきていた。そのため赤ちゃんを授かった際も“命がけの出産”への決意を本誌に語っていた。

 

そして彼女は今回、へその緒が異常な位置に付く臍帯卵膜付着だったことも明かしている。そのため、予定より3週間早い帝王切開での出産に踏み切ったという。

 

「じつは、臍帯卵膜付着であることは妊娠中期から担当医に言われていたんです。先生からは『なるべく早めに出産しましょう』と言われていましたが、私はギリギリまでお腹の中で成長させてあげたかったんです。検査のたびに成長しているかいつも心配でしたが、それでもベビーちゃんを信じていました。でも、産まれてみたら先生も驚くほど太いへその緒で繋がっていて……。涙がとまりませんでした。名前は2つ候補を考えていましたが、顔をみてすぐ決めました。体重2千530gの男の子でした」

 

妊娠初期は一卵性の双子を授かっていたが、ひとりは育たなかった。もうひとりの赤ちゃんも流産する危険性があったが、今回、感動の対面を果たすことができたのだ。出産後は全身が震えるほどの激痛が襲い、2日間まったく動けない状態が続いていたという。それでも喜びのほうが大きいようだ。

 

「今は授乳を始めています。新生児室は階が違うので行くのがつらいですが、はいつくばりながら移動しています。しかも授乳は3時間おき。もう何往復したかわかりません(笑)。でも一生懸命ミルクを飲んでくれるんです。その姿を見たり、抱っこしたりするだけで癒されますよね」

 

川村は昨年春に40代男性と結婚したものの、妊活中だったため結婚式や新婚旅行を延期していた。10月18日には37歳の誕生日を迎えたが、その夫が病室でささやかなお祝いをしてくれたという。

 

「当日はたまたまベビーちゃんと母子同室で、神様から大切なプレゼントをいただいた気持ちになりました。さらに主人がケーキとお花を持ってサプライズでお祝いに来てくれて。一生忘れられない思い出になりました。主人はとても嬉しそうで『授乳はできないけど、それ以外はなんでもやりたい』と言ってくれています。今後についてはまずゆっくり休んでから考えたいですが、3人でお出かけできるのを楽しみにしています」

 

そして少し早いが、待望の“2人目の赤ちゃん”への思いもこう語ってくれた。

 

「出産当日はあまりにも痛くて、『もう一人なんて絶対無理』だと思っていました。でも、そんなことを忘れちゃうくらい可愛いんですよね。だから今はきょうだいができたらいいなと思っています。そして産まれてくれたこの子も、夢や希望に向かって自分で切り開いていけるようになってほしいですね」

 

出産後も動脈瘤のリスクは続くため、今後も経過観察をすることになるという。それでも母になった川村は、愛する家族とこれまで以上にパワフルに生きていく――。

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