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「祖母の人生が、こんなふうにドラマになって注目されるなんて、本当にありがたいことだと思っています。子供のころ、祖母と一緒に毎朝『おしん』(’83〜’84年放映)を見ていたんですよね。まさか自分が朝ドラのヒロインになるなんて思っていなかったでしょうね……」

 

感慨深げに語るのは、ベビー子供服メーカー「ファミリア」社長の岡崎忠彦さん(47)。現在放映中のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』。ヒロイン・坂東すみれのモデルである坂野惇子さんは、戦後、学友たちとファミリアを創設した。岡崎さんは、坂野さんの孫にあたる。そんな孫が明かす、ファミリア創業者・坂野惇子さんの素顔とは。

 

「ファミリアって現代風に言えば、4人のママ友が集まって始めたベンチャー企業なんです。神戸も空襲を受け、戦後は預金封鎖されて、お嬢さんだった彼女たちも『何かせな生きていけない』という時代に、もともとは自分たちの子供のために一針一針愛情を込めて作っていたベビー用品を売ることになったわけです。『べっぴんさん』の登場人物でいちばん好きなのは、やっぱりすみれちゃんですね。すみれ役の芳根京子さんがあんなにかわいいので、祖母も喜んでいると思います(笑)」

 

岡崎さんは、「夜中まで働いているシーンなんて、本当にそのままです」と話す。

 

「でも、実際の祖母の性格は、チャキチャキしていて、すみれちゃんよりもお姉さんのゆりさん(蓮佛美沙子)のほうが似ているかも。ゆりさんのご主人の潔さん(高良健吾)も好きです。潔さんは男らしくて、『こうや!』と思ったら真っすぐ。そういうところ、カッコいいなと、思います。僕もあんなふうになりたい(笑)。ドラマなのでフィクションの部分も多いのですが、ファミリアの哲学が盛り込んであったり、実際にあったエピソードと似たところもあって、毎朝楽しく見ています。お昼休みには会社で従業員が集まって見ていますよ」

 

ドラマでは、すみれたちが運営する「キアリス」の商品が認められ、百貨店に支店をだした。百貨店でも自分たちのブランド名で販売し続けたのは、惇子さんたちが実際に行ったことだった。

 

「祖母はとにかく好奇心の強い人でした。常に“何かいいものはないだろうか?”ってアンテナを張っていて、人にもモノにも好奇心の強い人だったので、いろいろな業界の方々と交流して、刺激を受けていたようです。晩年も“介護で何か役に立てる事業はないかな”って考えていましたし、生涯、その好奇心が衰えることはありませんでしたね」