ドラマ『忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜』(NHK総合・毎週土曜日18時10分〜)で主演を務める武井咲(きよ役)と福士誠治(磯貝十郎左衛門役)は今回が初共演だが、役者としての“相性”はピッタリ。吉良邸討ち入りという“シーズン1”のいちばんの見どころを高視聴率のまま終え、いよいよ後半戦突入だ。
そこで年明け早々の収録現場の控室で緊急対談。「大河に次ぐ規模」ともいわれるこのドラマの撮影秘話と、「理想の恋」について語り合ってもらった。数々の時代劇ドラマに登場し、歌舞伎の舞台経験もある福士。収録現場では先輩として役作りのアドバイスをすることもあった。武井の“名演”について尋ねると−−。
福士「忘れもしない!牛天神できよが猛然と走って来る姿。あれは初々しくてとびきりキュートだった。『十郎左さま〜』って叫びながら向かってくる。かわいいな〜って見とれちゃいました」
武井「そうでしょう。着物もピンクでしたしね(笑)。実は私、走り方にクセがあるようで、最初はとても不格好に走ってた(笑)。まだ着物には慣れていなくて、いまも何かと所作指導の先生に注意されています……」
福士「そう、着物で走るのって大変なんだよね。僕も経験あります。江戸時代の本物の武士は、急いでいても“早足まで”と決まっているんですが、演出上、走らなければならないこともありますから。
時代の流れの中で離ればなれになる悲恋『忠臣蔵の恋』。このストーリーには「現代人には耐えられない切なさがある」と話す福士と武井だが、自身の“理想の恋”についても話が及ぶ−−。
武井「やっぱり相思相愛でないとね。私は、どんなときも相手のことを思っている気がするので」
福士「でも、その“どんなときも”という気持ちは、わかってもらうのは難しいねぇ」
武井「(男性に)伝えてほしい!」
福士「えっ、ちなみにその伝えてほしいって、自分からアピールはしないの?」
武井「しない(笑)。あまのじゃくだから」
福士「まぁ、あまのじゃくはあまのじゃくで、それが最初からわかっていれば、男は『かわいいなぁ』と、なるものだと思いますが」
武井「バレてる?(笑)」
福士「そりゃバレてると思うよ。思い合ってさえいれば、その『女の気張ったウソ』をかわいいと思えるだろうし、逆に『男の見えっ張りのウソ』も許せるようになる−−。十郎左の討ち入りもそうだけど、僕の理想の恋は、大事なプロジェクトを抱えているときに支えてくれる女性かな。もちろん仕事は自分のためではあるけれど、結果的にその女性との“生活”を守るという意味では、お互いの幸せを考えているんだと思う。一緒に笑ったり何かに一生懸命になったり、楽しい時間を共有できる関係が理想ですね」