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「僕は家では何もしてない、全部女房ですよ。うちの子たちは困ったことはなかったね。息子の翔太も自分でアナウンサーの仕事見つけてきたし、下の子も働いているし。それは女房がやってくれたことだと思います」

 

そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第76回のゲスト・タレントの小堺一機さん(61)。中山がデビュー時にとてもお世話になったという小堺さんと2人、「何が出るかな」でおなじみ『ごきげんよう』さながら、トークたっぷりの時間を過ごしました。

 

中山「『ごきげんよう』もそうでしたが、『おすましでSHOW』の公演も小堺さんのライフワークのひとつですよね。笑い、トーク、音楽が楽しめるショーを’85年から続けられて、今回ファイナル(東京・新国立劇場中劇場にて3月9〜12日まで)なんですね」

 

小堺「『ごきげんよう』をひとつ区切ったでしょ。最初は怒られたりしたけど、居心地のいい番組だったわけですよ。『おすまし』も最初は『テレビタレントが舞台なんてできるのか』なんて言われたりしながら、なんとかやっていって、だんだん気持ちよくなっていくんだけど、居心地いいところにいると次に進めないのかなって。母が亡くなったこともあるし、これでひと区切り。まずはやり切って、また新しいライブのカタチを探りたいと思っています」

 

中山「次へ行くしかない状況を作られたところもあるんですね。節目を迎えられ、今後はどこを目指すんでしょう?」

 

小堺「今のところ何もないですよ」

 

中山「いろいろやりつくされている?」

 

小堺「今『かたらふ〜ぼくたちのスタア〜』(フジテレビ系)というトーク番組をやらせていただいてるんですね。『ごきげんよう』のスタッフなんだけど、食事会で『あの映画がああで、こうで』なんていろんなことを話してたら、スタッフが『すごい知識ですね』って言ってくれたの。みんなに話したいから勉強したわけじゃなくて、30年も見てれば知識は増えるじゃない。そしたら皆さん面白いと言ってくださって」

 

中山「すごい映画の知識ですもんね」

 

小堺「僕は1回見るとだいたい覚えるんですよ、それはちょっと関係しているかもしれないけど、世間一般のことはひとつも覚えないんですけどね」

 

中山「好きなことだと頭に入るんですか」

 

小堺「だからブロードウエーなんかもショーの勉強だと思って見るとダメだね。沢田研二さんも『勉強で見るより、客として見たほうが頭に入る』と言ってた。とにかく、僕は本当に運だけでここにいるんだろうね。何もしてないからね。どん底も味わってないし、悔しくて泣いたことがあるくらい」

 

中山「小堺さんにもそんなことが」

 

小堺「ドラマで16回NG出したときね。その日は寄らなきゃいいのに、彼女の家に寄っちゃったんですよ。『どうだった?』って聞かれたから、僕泣いちゃった。『畜生!』っていう強い感じじゃなくて、膝の上で延々。『才能ないんだ、え〜ん』って、甘ったれでしょ。それが今の女房。いまだに、何かあると『あなた、泣いたわよね』って言われるんですよ(笑)」

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