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「作家生活50周年展と聞いて、自分がいちばん驚いています。一体、いつから描き始めたのか。今年で古希を迎えますが、本当に、無我夢中で生きてきたなあ、というのが正直な感想です」

 

こう語るのは、『ベルサイユのばら』などで知られる人気漫画家・池田理代子(69)。彼女の半世紀の歩みと多彩な作品を紹介する展示会「デビュー50周年記念展 池田理代子−『ベルばら』とともに−」が開催した。

 

オープニングセレモニーは、’14年にともにフランス観光親善大使を務めるなど、池田と縁の深いTHE ALFEEの高見沢俊彦(62)も出席。本誌の対談では、数々の名作の誕生秘話と、作品の魅力、思い出を語り合ってもらった。

 

高見沢「じつは僕、昔、友達に『オスカルみたいな格好をしてるな!』ってよく言われていたんです。髪も長めでパーマをかけていたので。そんなオスカルも還暦を過ぎてしまいました(笑)。池田先生は、マリー・アントワネットに重なる部分がありますよね?天真らんまんで、ちょっと雑なところも(笑)」

 

池田「確かにそう(笑)。登場人物には自分を反映しているところが多分にあると思います。私って、脇役一人ひとりに至るまで好きで、凝っちゃうのよね。きっと、人間が好きなんだろうなあって思います」

 

空前の『ベルばらブーム』が巻き起こり、舞台化、アニメ化もされた。

 

池田「タイトルは高校2年生のときに決めていました。シュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』を読んで、『ベルサイユのばら』でアントワネットの生涯を描こう、と」

 

高見沢「宝塚歌劇の舞台ファンも多いですよね。会場内に飾られた衣装が素晴らしくて。見た瞬間、僕の衣装が飾ってあるのかな?と(笑)」

 

池田「本当ね(笑)。初演当時は、少女漫画の社会的地位が低かったこともあって、関係者の間で漫画を題材にすることに反対の声があったそうです」

 

高見沢「正直、僕も初めて友達に薦められたとき、『何で少女コミック?』という印象でした。でも、読み始めたらハマっちゃって。先生の作品は、ロシア革命を描いた『オルフェウスの窓』など、史実を基にフィクションが巧みに織り交ぜられた歴史ドラマが多くて、歴史好きとしてはたまらない」

 

池田「『ベルばら』は、私自身、歴史ものを描いたつもりではなかったんです。アントワネットの生きた時代がたまたまフランス革命だったっていう。『オルフェウスの窓』は、劇画家として上り坂のピークに達したときに7年かけて描いた大作。私のライフワークというか、描きながらも、これ以上の作品はできないと思っていました」

 

今回の展示では初期の社会派作品、『女帝エカテリーナ』などの歴史ロマン、そして、40年ぶりの復活が話題を呼んだ『ベルばら』の新作、さらに貴重な原画や資料を一挙公開。

 

池田「’80年代以降の大人向けのレディースコミックもありますし、デヴィッド・ボウイの絵や油絵なども展示されています。絵描きとしての違う一面も知っていただけるとうれしいですね」

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