「日本人になじみ深い“厄”という言葉ですが、皆さんの多くが間違った捉え方をしているな、と以前から感じていました」
そう語るのは、スピリチュアリストの江原啓之さん。江原さんは「’17年は“不安の年”でしたが、’18年は“爆発の年”になります」と言う。混迷を深める時代を幸せに生き抜くためには、「厄」を祓うことが重要になるそう。「厄」を、ネットで検索してみると、「苦しみ」「災難」「厄年の略」といった内容がヒットする。
「おそらく“事故や病気など悪いことが突然襲いかかってくること”と、考えている人が多いのではないでしょうか。しかし、自分にまったく関係ないことが、突然に災いや問題として降りかかってくることはありません。『因縁果』と言いますが、良きことも、悪しきことも必要以上のことは起こらず、物事には、必ず因があるのです。たとえば、人間関係のトラブルは、その人の心のありかたに起因しています。また、病気になるのは、健康を過信して、不摂生な生活をしていたり、想念から生じることもあります。皆さんは“厄”をいたずらに恐れていますが、それは自分の行動や思い癖を“気づかさせてくれること”であり、自分を成長させてくれる幸いでもあるのです。何か厄を感じたら、『こういう目に遭ったということは、ここを軌道修正しなければいけないんだな』と、理性で判断してください。私が皆さんにお話しすることにはすべて共通点がありますが、それは“恐れをなくす”ということ。ですから厄に対して恐れず、理性的に対処する方法をお教えします」(江原さん・以下同)
江原さんが、厄にまつわる疑問について答えてくれた。
【Q】厄年には神社に厄払いに行ったほうがいいのでしょうか?
「一般的な厄年は数え年でカウントします。男性なら25歳、42歳、61歳。女性なら19歳、33歳、37歳というものが主流です。厄年は、男女それぞれ、心身に負担がかかったり、それまでのゆがみが表れたりする節目の年なのです。日本人は節目が好きですから、昔からこの厄年という考えを健康管理に役立ててきました。いわば生きるための知恵ですね」
現代の平均寿命は男女ともに80歳を超えているが、厄年が61歳までしかないのは、昔の寿命が現代より短かったからだそう。
「確かに体調を崩しやすい時期ではありますが、だからといって、『厄年だから結婚できない』『厄年だから仕事で失敗した』などと考えることは、あまりに短絡的です。それに『厄を祓わないと恐ろしいことが起こりますよ』という脅しは強い気持ちで拒否しましょう。私は『厄年だからお祓いに行ったほうがよいのでしょうか』というご相談に関しては、『神社にお参りするより、まずは人間ドックに入って、健康をチェックしましょう』と、おすすめしています。もちろん心配性の人は、神社にお祓いに行ってもよいと思います。ただ、行くのなら自分自身を見つめるための内観の時間であることを、強く意識することが大切です」
【Q】ケガをしたのは厄のせいでしょうか?
「私自身も、足を骨折した経験があります。そのときの状況を振り返ってみたところ、『ペースダウンしなさい』というメッセージであることに気づきました。スピリチュアルな視点で見ると、ケガは、『もっと体を大切にしましょう』というメッセージでもあるのです。ケガを単なる厄と受け流すのではなく、身に起こったことを分析して、自分の状態を知ることが大切です」
メッセージには次のようなものがあるという。
《手のケガ》仕事を広げすぎてはいませんか?
《足のケガ》立ち止まって注意深くものごとを見たり、考えたりするときではありませんか?
《頭のケガ》頑固になりすぎず、柔軟な考えを持っていますか?
《上半身のケガ》目上の人に何かと反発していませんか?
《下半身のケガ》目下の人に対して親切にしていますか?
【Q】厄を祓うのは、特別な人でないとできないのでしょうか?
「私は、自分で自分を祓うのが、いちばん有効だと考えています。大切なのは『戦うぞ!』という意志力ですね。ネガティブな思いにとらわれながらお祓いをしても、まったく意味がありません。『自分自身を律しよう』『公明正大に生きよう』『正しいことを貫こう』と、自分自身を振り返りながら、『祓いたまえ、清めたまえ』と念じましょう」
次に祓う力が強いのは、「親が子を祓うとき」と江原さんは言う。
「具体的に言えば『オーラマーキング』という方法があります。たとえば子どもの洗濯物をたたむときも『面倒くさいなぁ』なんて考えながらたたむのではなく、『あの子が元気を取り戻しますように』『トラブルがあっても、乗り越えられますように』と、祈るようにたたむと、エナジーが宿り、子どもの厄を祓うことができます。家族みんなでお互いの洗濯物をたたんで、厄を祓いあいたいものですね」
それは、ごはんを作るときも同じだそう。
「忙しいときは簡単な一品でもいいのです。『守ってあげたい』という気持ちを込めて作ってあげてください。まさに『愛に勝るお祓いはない』のです」