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《女性アナウンサーのスカートに頭を突っ込んで泣かせた》。《デパートで、札束を投げ飛ばし、1万円をまき散らした》。幼少期からメディアで一挙手一投足が報じられ、虚実ないまぜのこんな伝説が残るのが、元プロ野球選手で、中日ドラゴンズ元監督の落合博満さん(63)と妻・信子さん(73)の一人息子、福嗣くん(30)だ。

 

くしゃくしゃの天然パーマとふてぶてしさが特徴。日本国民にその行方を案じられたが、幼かった福嗣くんもいまや30歳となった。’15年、声優になったことが報じられたが……。人気野球漫画『グラゼニ』を原作としたアニメで、なんと主演声優に抜擢されたのだ。

 

「声優事務所に入ったとき、マネージャーさんに『ゼロからのスタートなので厳しくしてください』とお願いしました。でも、それ以降はいっさい関わっていません。福嗣はオーディションを受けて、自力で役を勝ち取ったんです」

 

恐妻として知られる信子さんも、そう頬をほころばせる。紆余曲折を経て、福嗣くんが一生の仕事として決めたのが、声優だった。

 

「耳から入る勉強は大好きで、『市立中学校英語レシテーション(暗唱)大会』で、帰国子女に交じって、優秀賞を取ったこともあるんです。映画好きの落合と一緒に映画を見て、ブルース・ウィリスの吹き替えのまねをしたりしていました。ずっと興味はあったんでしょうね。それから声優の学校に通い始めたの」(信子さん・以下同)

 

そして、有名声優を多数抱える青二プロダクションを受験し、見事合格した。

 

「事務所の人からは『落合さんの息子ではなく、福嗣さんの声が欲しいんです』と言っていただきました。だから、バラエティ番組とかでは見ないでしょ。テレビとかに出るのは、お仕事と関係あるときだけです。だって、福嗣は“声優”なんですもの」

 

アニメの端役から始まり、ナレーション、洋画の吹き替え……一歩ずつ階段を上り、主役の座を射止めた。その努力の原動力になったのは、家族。福嗣くんは’10年に結婚し、2人の娘を持つ父親になった。

 

「結婚したいと福嗣が言ったとき、落合は『もし、結婚に反対したらどうする』と聞きました。すると、『反対されても結婚します』って言うから、2人でおめでとうって。いまは徒歩1分のところに住んでいます。福嗣はしっかり子どもの面倒を見ているよ。お嫁さんはこんな大ざっぱな私に孫を預からせてくれます。泊まるときは、私が風呂に入れて、おじいちゃん(博満さん)が髪を乾かすのよ」

 

声優として、父として、立派に巣立った福嗣くん。「落合家の子育ては成功ですね」と記者が聞くと……。

 

「福嗣は30歳よ。まだまだ人生これからだわ!」

 

信子さんはそう笑った。

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