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《息子よ》で始まり、《おやすみ、よく生きました》で終わる、愛の言葉たち。フランス・パリで長男(14)を男手ひとつで育てている作家・辻仁成さん(58)のツイートが、ネットやテレビで《共感する》《泣ける》と話題になっている。辻さんが本格的にツイッターを始めたのは、離婚が成立してシングルファーザーになったばかりの4年前――。

 

「離婚直後はいきなり生活が一変して、すべてに戸惑ってばかりでしたね。息子もまだ9歳で、頼れる親戚のいないパリでの子育ては、想像以上にたいへんでした。そんなとき、息子のために作ったお弁当の写真をツイッターに投稿してみたら、数百件もの『いいね!』がついたんです。似た境遇のシングルパパ、ママさんや主婦の方々から応援のメッセージまでもらって、どれだけ励まされたことか……」

 

当時のフォロワー数は3万5,000人。そこから火がつき、いまでは16万人近くのフォロワーが、辻さんのツイートを心待ちにしている。

 

「昨年9月くらいに、落ち込んでいた息子を励ますつもりで書いたツイートに、すごい反響がありました。《息子よ。気分が下がったら人間下がり続ける。気分を上げよ。(中略)ストレスの原因と名前をトイレットペーパーに全て書き出し、大で流せ。大だ!笑》というものです。このツイートには6万件を超える『いいね!』がありました。14歳の息子にむけて書いたつもりでしたが、意外にも多くの大人たちが『元気づけられた』と共感してくださいました」

 

そんなツイートが生まれるのは、食後の“父子会議”で交わされる会話――。

 

「夕食後は息子が後片付けをしてくれて、2人でテーブル卓球をするのが最近の日課。卓球バトルが終わったら、私は書斎で仕事をするのですが、そこに息子がやってきて、その日の学校での出来事なんかを話してくれるのです。もうすぐ高校に進学する息子は、進路についての相談が増えてきましたね。それで私なりにアドバイスをしたものをツイッターに書き溜めていっている感じです」

 

これからも息子への愛の言葉を紡ぎ続けていく――。

 

 

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著者:辻仁成
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