「私は今年で漫画家としてデビュー50周年。女性自身さんも今年創刊60周年を迎えるとあって、記念に何かできたらうれしいなと思っていました。そこに届いた原作が本当に面白くって。芸能界や梨園の表と裏、政治、財界、夜の銀座からハリウッドまで登場するスケールの大きさと華やかさ。私が少女時代に夢中になって読んだ漫画そのものでした」
そう語るのは、漫画界の巨匠・いがらしゆみこ氏。名作『キャンディ・キャンディ』から39年。4月24日より女性自身で、4年ぶりとなる週刊連載『エレクトラ!〜罪深き聖女たち』を始めるのだ。
物語は、学生時代の同級生だった女優2人と社長令嬢が織り成す“華やかな復讐劇”。主人公は行方不明になっていた天才子役・遠山エレナ(30)で、親友の松ヶ枝薫子(30)が主演女優賞を受賞した映画賞の授賞式から始まる。
「初めて原作を一読した際、勝手に右手が主人公のエレナを描き始めていたんです」
そう目をキラキラ輝かせるいがらし氏の姿は、デビューした17歳当時の少女そのもの。だがなぜ50周年記念作品の連載を漫画誌ではなく、週刊誌で発表することになったのか。
「展開も早くて、ドロドロありサスペンスあり。現在と過去の事件もからんでいるので、その社会性は週刊誌ネタそのもの。漫画誌よりも週刊誌、特に芸能記事が多い女性週刊誌にはピッタリな連載だと思ったんです」
現在9話まで描き進めているといがらし氏だが、「これは当たる」と手ごたえを感じているようだ。
「展開が面白くて勝手に右手が動いている感覚ですね。心はもう半年先の話が描きたいくらい。私は、この新連載を最後の作品にするようなつもりで挑んでいます。私の漫画作品の中でみなさんの記憶に残る作品に育てあげたいと思っていますね」