芸能界一の贈り物の達人といわれている美容家のIKKOさん(56)。お中元や帰省のお土産などで、悩ましい季節。IKKOさんに、“贈り物”達人の極意を聞きました――。
「テレビに出させていただいた当初は、共演者にお礼のお手紙を書いて、事務所に送っていました。テレビに呼ばれる機会が増えるにつれて、本番前に直接お渡しするようになったんですけど……。でも、『手紙書いてきたんで、読んでください』って、子どもみたいじゃない(笑)。だから、ちょっとした品を添えて渡すようにしました。それが始まりです」
こう話すIKKOさん。じつは番組収録前に、共演者全員にプレゼントをするのが常だという、芸能界きっての贈り物の達人として知られている。今回、取材したインタビューマン山下も、ジャリズムとして活動していた芸人時代にLUSHのソープをもらった1人だ。
そんなIKKOさんが、“贈り物”達人の極意を教えてくれた。
【自分が気に入ったものだけを贈る】
IKKOさんのポリシー。贈り物は、自分が使ったり、食べたりしてみて、気に入ったものを選ぶ。
【値段よりも、感動を】
高価なものより、自分が探し出しためずらしいものなどを選ぶようにしている。
【相手の事情を常に考える】
品物や量など、相手の家族構成や状況を考えて選ぶようにする。
【感謝の一言を添えて】
感謝の心を伝えるのが贈り物の役割。できる限り、直筆の手紙を添えて。
【見返りは求めない】
考えるのは相手の喜ぶ姿だけ。見返りを求めると、贈り物が味気ないものに。
「もう38年前。福岡から横浜に出てきて、住み込みで高級美容室に勤めていたころのお話です。あるとき、先輩から『お金ではなく、心を返すということがとても大切です』と教えられました。お金をかけなくても、手紙ひとつでいい。そういう気持ちを、どこか心の片隅に置いておくことがとても大切だということです」(IKKOさん・以下同)
だから、贈り物にはできる限り、直筆の手紙を添えている。50代になってからは、NHK大河ドラマの制作にも携わる書道家の金敷駸房さんから教えを受けている。
実際に、お手本を書いてもらった。「緊張しちゃう」と笑いながらも、すらすらと筆が滑っていく。季節の花「九重葛(洋名・ブーゲンビリア)」で始まるのは感謝の言葉。
「もういまさらやめられないじゃない(笑)。これからも続けていくわ。でも、『オールスター感謝祭』(TBS系)のときだけは、勘弁させてもらっているの。だって出演者が多すぎるもの」
そう笑うIKKOさん。取材を終えて、その場を後にしようとする山下に「ちょっと待って」と声をかけてきた。
「これ、おいしいのよ」
そう言って、さりげなく渡してくれた紙袋の中には、ハワイの白いはちみつ「レア・ハワイアン・オーガニック・ホワイト・キアヴェハニー」が。プレゼントの達人といわれる理由がわかったような気がした。
(取材:インタビューマン山下)