「昔からダンスはたいへん苦手で、この歌を歌い始めたころは、竹島が踊ると客席から失笑が漏れたり、『人に見せられるダンスではない』とファンからお叱りを受けたりすることもありました(笑)」
そう語るのは、今年デビュー17年を迎えた演歌歌手・竹島宏(40)。3月に発売した最新シングル『恋町カウンター』が、踊って楽しいムード歌謡と人気急上昇。ステップやターンや繰り出しながら手足を素早く動かす、その独創的な振付けは“恋町ダンス”と名付けられ、動画投稿サイトでアクセスが急増している。
女性自身の取材で、「この歌は、これからの竹島宏の一つの軸になると思います。今までの歌では出せなかった表情や、僕のなかの意外に面白い部分をお見せできるようになった」と新境地を告白。ライブでは、竹島の歌と踊りに合わせて、心を一つに踊る大勢のファンの姿が。
関係者いわくダンスが注目された理由のひとつは、日本のとある寺の住職がアップした恋町ダンスの完コピ動画だったという。同曲発売後まもなくユーチューブにアップされ、竹島本人も「なぜ、僕の下手なダンスに興味を持ってくださったのだろう?」と驚いたそうだ。
ライブで恋町ダンスを初披露したときは、「下手な踊りのせいで、ちゃんと歌を聴いてもらえないのではないか」と戸惑いもあったが、いまでは「ダンスがないとこの歌じゃない(笑)」と“踊る演歌歌手”を自認するまでになった竹島。このたび人気の火付け役となった住職に会いに岐阜を訪れたが、「実は僕、本物の住職さんとは思ってなかったんです」と明かした。
岐阜県在住の住職は、もともとマイケル・ジャクソンや少年隊のダンスを披露する“ダンシング住職”としてユーチューブに多数ダンス動画を公開している。
「ダンスのお得意な方がたまたま、袈裟を着たお坊さんのコスプレをして踊っていらっしゃるのかな、と。本堂の映像は合成されたものだと思い込んでいました。まさか、お坊さんが踊ってくださるなんて思わなくて」と笑う竹島。かねてより疑問に思っていた、“恋町ダンスを踊ろうと思った動機”を住職に尋ねたという。
「『NHKのど自慢』(総合テレビ・ラジオ第1)で偶然、竹島を見たのがきっかけだったそうです。出演者が歌う『恋町カウンター』に乗って、ゲスト席で一緒に踊る僕を見たときに『何かを感じた』と。もともとダンスがご趣味なこともあり、恋町ダンスを覚えてくださったそうです。僕のなかに『慈悲の心を感じる』とまで言っていただいて、本当に光栄です」
念願のダンシング住職とのダンスコラボを実現させた竹島。
「初めてお会いしたとは思えないほど、まるで身内のように応援してくださっているのが伝わってきました。こんなふうに、全国にはまだ直接お会いしていないファンがいてくださるのかなあと思って、改めて頑張り続けなきゃいけないという思いにさせられました」
公式ページでは、竹島がいろいろなダンスの達人に会いに行く動画企画「Let’s 恋町ダンス」を実施。今回の岐阜ロケを収録した「岐阜編」も好評配信中だ。
「浅草に日舞の先生を訪ねたり、ベリーダンスを踊ったり。岐阜では土産屋さんや食堂でレポートするなど、歌以外のことにも挑戦しました。最近、スタッフの無茶ぶりがエスカレートしていて、僕自身も、もっともっと弾けたいと思いがあふれ出てきてますね(笑)」と自身の変化を実感している。
「日舞の先生には、一つひとつの動きに意味を持たせる大切さを教えていただきました。目だったら、カメラのレンズの向こうにお客様がいることを意識して見る目なのか、ただボーッと遠くを見ているだけなのかで意味が変わってくる、と。手にしても、指先までしっかり意識しないと死んでいるように見えると指摘されました。恋町ダンスを振り付けてくださった先生が、『スマートに!』と口酸っぱくおっしゃっていたのですが、それがこのことか、と腑に落ちて」
竹島がダンス修行を積むいっぽう、ファンのダンスのレベルも格段に上がっていると感じているそうだ。
「みなさん、すっごく必死にやってくださるんです。腕の上げ下げも機敏ですし、指先もピッと伸ばし、細部まで意識がいきわたって非常に完成度が高くて。最初に楽曲を聞いたときは、こんな展開になるとは全く想像もしてなかった。NHKの紅白歌合戦で、みなさんと一緒に踊って歌えたら最高に幸せでしょうね」
そう夢を膨らませる竹島。8月に40歳の誕生日を迎えた。
「なんか、明るく40歳を迎えました!という感じなんです(笑)。本当、恋町ダンスのおかげですね。歌い手としても、全身を使って歌を表現するというところにつながって勉強になると思いますし、ファンのみなさんには『僕の歌手人生、これからが楽しみですよ!』と大声で宣言しています。40代に突入しても『これからダンスありきの歌で弾けていくんです!』って。そういう空気をファンのみなさんも感じて、楽しんでくださっているのだと思います」
『恋町カウンター』はオリコン演歌・歌謡シングルランキングで6作品連続初登場1位を獲得。現在までにカップリング曲を変えたA、B、C盤が発売され、通算8万枚の売上げを記録している。名実ともに一流の歌手がひしめく演歌界でブレーク必至の竹島宏に注目です!