「GWに家で観たい映画7選」年間500本鑑賞する有村昆が厳選

ゴールデンウイークの語源は映画の宣伝用語。今週は映画三昧というのはいかがでしょうか?

 

年間約500本を鑑賞しているという映画コメンテーターの有村昆氏(42)にGWに、おすすめの“必見映画”を紹介してもらった。今回は、公開が終了した過去の映画。気になるものがあったら、DVDを借りに走ろう!

 

■「この世界の片隅に」(配給・東京テアトル 2016年公開)

 

アニメーションの中で僕も妻も大好きな映画の1本です。絵のタッチが水彩画のような薄い感じで、もの凄く優しい。

 

何気ない、のんびりとした、すずさんという主人公は本当に素朴なんですよ。今まで、たくさんの戦争映画ってありましたが、あんなに軍隊が出てこなくて、いち女の子の視点から見た戦争を描いた映画は、まずなかったです。

 

あんなに、のほほんと暮らしていた女の子でさえも、戦争で腕がとれて、今後、どうやって、生きていっていいか、わからくなったりするんですよ。 自然災害とか戦争とか、いつ日本で起こるかもわからない出来事を1人の視点で、描いた傑作でしたね。

 

GWに家族が集まった時こそ見て欲しいです。子供はアニメという取っつきやすさもあるし、おじいちゃん、おばあちゃん世代は戦争を知っているし、家族みんなで1本真面目な作品を、見てもらうのも、いいかなと思います。

 

■「フィフティ・シェイズ」シリーズの「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(配給・東宝東和 2015年公開)

 

「フィフティ・シェイズ・ダーカー」(2017年公開)「フィフティ・シェイズ・フリード」(2018年公開)の3部作。原作はアメリカのコミケみたいなところで大ヒットした自費出版の“官能小説”なんですよ。アメリカの主婦が、この小説にハマりまくったんです。

 

それが映画化されたんですが、 この映画はアメリカで大ヒットを飛ばして、日本でもTOHOシネマズシャンテで全国ロードショーしました。R18でエッチなんですけど見た目が超オシャレで女性が見て凄くかっこいいと思える映画です。

 

■「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」(配給・REGENTS 2018年公開)

 

主演がエイミー・シューマーというぽっちゃりしたコメディ女優さんで、日本語吹き替え版を渡辺直美ちゃんがやっているんです。

 

主人公はトレーニング中に頭を打って気絶しちゃうんですが、その後に意識が戻って自分の姿を鏡で見たらスーパーモデル級に! でも周りの人たちは、前の彼女のままに見えているんですよ。

 

自分だけはスーパーモデルになってると思っているので、 どんどん自信を持ち始めると、その勘違いが逆に好転していくんです。僕もこの作品を見ているうちに、なんか不思議と彼女がきれいに見えてくるんです。逆に「どうせ私なんて」って、うじうじ言ってると本当にそうなってしまうんじゃないかと。この映画は、物事は考え方しだいで、未来が変わるということを教えてくれました。

 

ネガティブになって悩んでいる人におすすめです。悩んでいることが、ちっぽけに感じてきます。

 

■「ビッグ・アイズ」(配給・ギャガ 2015年公開)

 

ティム・バートン監督作品で、1960年代のアメリカでの実話なんです。その時代に、画家のアンディ・ウォーホルが絶賛したこともあり、目がものすごく大きい女の子のイラストが、めちゃくちゃ流行ったんですよ。

 

でも、そのイラストの作者のウォルター・キーンさんは実は、その絵を描いてなくて奥さんが描いていたんです。奥さんは、旦那が売れてくれれば嬉しいと思って描いていたんですが、旦那がパーティー三昧で遊び惚ける。でも絵がめちゃくちゃ売れて奥さんも裕福な生活をしているので、真実を告発するかどうかで悩む話です。だから日本でいうと佐村河内守さんと新垣隆さんのゴーストライター問題のようなストーリーでしょうか。

 

今の時代は女性監督や女流作家とか、出てこられる時代ですけど、今から5、60年前の時代は男性の作品だから表に出られたという背景があるんですよ。だからその時代は、絵だけじゃなくて、小説など他にもゴーストライターで奥さんが書いていた可能性が、実は過去にあったんじゃないかというのを、一石投じる映画なんです。

 

■「カメラを止めるな!」(配給・アスミック・エース、ENBUゼミナール 2017年公開)

 

もう地上波放送もされましたが、まだ見ていないという方は、このGWで是非見てもらいたいです。

 

僕がはじめて知ったのは水道橋博士がTwitterで大傑作だとつぶやいているのを見て知ったんです。観てみたら面白すぎて、僕もひっくり返っちゃたんですよ。しかも映画の専門学校の卒業制作の作品で監督も出演者も無名 。37分間ワンシーンワンカットの長回しで、裏方が一生懸命やっているじゃないですか、こんな雑草魂で映画を撮るって素敵だなと思いました。

 

■「恋人たちの予感」(配給・日本ヘラルド映画 1989年公開)

 

メグ・ライアンとビリー・クリスタルの出演映画で、“男女の友情は成り立つのか”というお話。10年来の友達の二人が男女の関係になるのですが、あくまで友達のまま。 しかし、男は 結婚したがるように。メグ演じる女性の方も少しづつひかれていって、最終的にどうなるか……。

 

通常の恋愛映画なら最後は男女が「I love you」って言って終わるじゃないですか。なんとこの映画の最後は「I hate you」「あなたのことが大嫌い」と言って終わるんです。そのあたりも注目ポイントですね。

 

もう一つ、他の恋愛映画との違いは女流脚本家が書いている点です。今までの恋愛もののヒット作は男性脚本家だったんです。おそらく世界で初めて女流脚本家が恋愛ものを書いて大成功した例なんですよ。

 

本当の女性の気持ちは、女性にしかわからないということを教えてくれる映画なので、「そうよ、それそれ」と共感できる女性は多いと思います。

 

■「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」(配給ショウゲート 2018年公開)

アラフィフ・アラカン世代の方はご存知だと思いますがフィギュアスケートで過去2度冬季オリンピックに出場したトーニャ・ハーディングがライバル選手を襲撃して、負傷させた疑惑が浮上し、当時のワイドショーを騒がせたものを、実際に描いたという話です。

 

それぞれ当事者に、インタビュー形式で質問して「私はやっていません」とか「私はトーニャに言われてやりました」とか答えているんですよ。でも、言ってることが食い違ってくる、果たして真実は……という話なんです。

 

なぜトーニャが、あんなに暴力的なことをやってしまったのか。それは お母さんにルーツがあったということがわかるんです。スケート漬けの毎日で、お母さんはトーニャをめちゃくちゃスパルタ教育でボッコボコにしているんです。トーニャはそういったお母さんを見て育ったので、こういった事件を起こしてしまったのか……という部分もある。

 

だからアラフィフ・アラカンの女性がこの作品を見たときに今まで自分がどういう風に子供を育ててきたかというのを自己確認できる映画です。

 

(取材・文:インタビューマン山下)

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