(撮影:荒木勇人) 画像を見る

「最初、7つの人格を演じると聞いたときは、そんな無茶な!? とびっくり(笑)。でも、描かれる世界は日常のささやかなことで、非常に素敵だなと心が動きました」

 

そう話すのは、映画『水曜日が消えた』(近日公開)で、一人7役に挑んだ中村倫也(33)。少年時代の交通事故の後遺症で、1つの体の中で曜日ごとに7つの人格が入れ替わる“7人の僕”を演じている。

 

これまで数々の難役を演じてきたが、これほどの数を演じ分けるのは初めてのこと。髪形や服装だけでなく、しゃべり方や動きなど細部にわたってこだわった役づくりで、とくに心がけたのは親近感だという。

 

「7人それぞれが画面に出ただけで『違う人だ!』と思ってもらうのはもちろんのこと、“こういう人いるな”というような生っぽさを出せたらいいな、と。それぞれの人格の生活感みたいなところを意識して演じるのが楽しかったです」

 

主人公の火曜日は、真面目で気弱な“学級委員長”タイプ。本人の性格は何曜日に近い?

 

「“職人気質のイラストレーターの木曜日”も、“おしゃべり好きの社交派オタクの土曜日”も、7曜日全部が少しずつ入っています。たぶん、一貫性がないのが人間なんですよ。演じていて楽しかったのは、“魚釣りが好きな自由人の日曜日”ですね(笑)。今日の僕は、仕事場にふさわしい、“さわやかで社交的な水曜日”を心がけていますけど、やっぱり、女性は“問題児な月曜日”のような男がお好みかな(笑)」

 

そんな彼の“日常のささやかなこと”は?

 

「休みの日に掃除や洗濯をしている時間ですね。『生活してる!』って感じられる(笑)。役者の仕事は、頭が常にオンになりがちなのでリセットする時間が必要なんです。散歩をして季節を感じたり、ゴルフで無心にボールを打ったり……人としての営みみたいなものを定期的にやらなきゃいけないなと思っています。この間は『激落ちくん』でずっとキッチン回りの油汚れを落としていました(笑)」

 

「女性自身」2020年5月26日号 掲載

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