「英語の言葉と自分の感情を一致させていくのが大変でした。何度も台本を読み直したり、ノートに自分のセリフを書き写したりしながら、漬け物みたいに少しずつ染み渡っていく感覚で。だんだん役の輪郭が見えてくるという、今までにない経験でした」
極寒の南極研究基地で起こった惨劇。その真相をめぐるスリリングな心理合戦を描いた国際連続ドラマ『THE HEAD』(6月12日世界同日公開。日本では同日夜10時よりHuluにて独占配信)に、主要キャストとして出演した山下智久(35)。全編英語のセリフに挑戦している。
撮影は約3カ月にわたり、主にスペインのカナリア諸島で行われた。長い海外生活で戸惑うことはなかったのだろうか?
「慣れない洗濯機で服がシワシワになったりはしましたね(笑)。お米も恋しくなりましたけど、パンが大好きになっていくんですよ。それに、キスとハグで1日が始まる文化もすごく心地よかった。ただやっぱり、心細くなる瞬間はありました。そういうときは、ファンの方からのSNSのコメントが支えになりましたし、共演者のみんなもそばにいてくれたので、孤独は半減されたかな」
さらに、海外での撮影ならではの貴重な経験もしたという。
「現地に到着してすぐ、恋人役のキャサリン(・オドネリー)と、2人きりで島を散策したんです。それから、いろいろなシチュエーションの恋人設定で、ただ3時間くらい同じ部屋で過ごしたりして。日本ではなかなかできない手法ですけど、一緒に過ごした時間がリアルになったおかげで、本番も違和感なく臨めました」
ともに作品を作り上げたキャストやスタッフを、山下は「ファミリー」と表現する。
「お昼ごはんを同じテーブルで食べたり、土日は撮影が休みだったので、みんなで海沿いをドライブして、ビーチでビールを飲んだり。仲間たちと過ごした時間は、撮影中はもちろんそれ以外も、すごくぜいたくな経験だったと思います」
「女性自身」2020年6月16日号 掲載