精神的にも大きな支えだった。レミさんが仕事で忙しいことを察すると、職場から戻ってきてスニーカーも脱がないうちに「今日は外に食いに行くか」と、誘ってくれたという。

 

「それで外食して『ああ、楽チンだったし、美味しかった!』って言うと、『レミのご飯がいちばんだよ』って。そんなこと言われたら、また頑張っちゃうわよね!

 

今回のレシピを見てもらってもわかるとおり(※『女性自身』10月6日発売号では、夫婦思い出のレシピを掲載)、私の料理はどれも簡単なの。

 

そのかわりレトルトは使わない。作り方はアレンジしても、祖父や母から受け継いできた味を息子やお嫁さんに伝えていくことは、和田家にとってとても大切なことだと思うんです。

 

スキンシップならぬベロシップって呼んでいるんだけど。和田さんも、私と舌(ベロ)の感覚がいっしょだったみたい。一回も『まずい』だなんて言われなかった」

 

和田家はこれからも「舌」でつながっていく。そして、夫婦の絆も永遠に。

 

「和田さんがいなくなっちゃったことが、まるで昨日のことみたいで。亡くなる前に『私と結婚したこと、(判断は)合ってた?』って聞いたら、ニコリと笑って『合ってたよ』ですって。

 

私も来世の結婚相手は絶対和田さんがいいの。私が死んだら、お骨は和田さんのお骨とミックスしてねって家族みんなにお願いしているぐらい。

 

『愛してる』なんて一回も言われたことなかったけど、結婚生活の47年間、作ったものはなんでもおいしいって食べてくれた。それがすべてです」

 

和田さんの「おいしい」の一言には“愛”が込められていたのだ。

 

「女性自身」2020年10月20日号 掲載

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