寺島しのぶ コロナ禍で異変「謎の頭痛、1カ月ベッドで横に」
画像を見る コロナ禍中の更年期の苦悩を語ってくれた寺島。

またひどい片頭痛も始まって、病院に行ってMRIを撮っても脳に異常はなかった。やはり精神的なものだったようで。ドクターストップがかかってしまいました。

 

もともと、私は役づくりでもギューッと入り込む性格です。傷口に塩を塗り込んで痛がってる自分が好きみたいなところがあります。今まで、ずっと走り続けてきました。自分を大事にしてこなかったし、過酷な減量をしたり、息子が生まれてからは睡眠不足のまま仕事してきました。それが、コロナになって今までどおりにいかなくなったことが、やっぱりストレスだったんでしょうね。ついにオーバーヒートを起こしてしまったんです。

 

――そんなとき、「いつ電話してきてくれてもいいから」と救いの手を差し伸べてくれたのが、4歳年上の鍼灸師の従姉だったという。

 

彼女には「今までみたいに体が動かない、どうしよう」と、家族にも話せない悩みを打ち明けました。すると「そりゃ50歳近くにもなれば体もポンコツになるよ。でも、まだこれぐらいで済んだんだから、新しく発想の転換をしてけばいいんじゃない?」って言ってくれたんです。

 

これまでの人生、このまま続けることも無理ではない。しかし、人生はあと半分ある。ここから先、まるっきり違う人間にならなくても少しは変えられるかもしれない。自己否定ばかりしてきた人生ですが、自己肯定をするようにする。これを“第2期の寺島しのぶ”だと考えて、もうやるしかないなと思っています。

 

よく食べて寝てよく笑って、人間的な生活を送る。今までやってきていないことをちゃんとやらないといけない、と思い始めました。いろいろ本も読みあさりました。渡辺淳一さんの『鈍感力』も読み直しました。心と体が一致してないと絶対に健康ではない。鈍感力を持つ人こそ、したたかにはい上がれる力を持っていると――。

 

夫が探してきた、英語の瞑想のアプリにも助けられました。ハピネスとかストレスレスなど、レベルごとにその音を毎朝25分間ぐらい目をつぶって聴いていく。それは効果がありました。

 

9月から息子の学校も始まり、夫も仕事に出て、2人がいない時間が徐々に増えました。私も仕事を少しずつ再開してから、ようやく体調もよくなってきました。夫から「仕事があるだけ幸せだよ」と言われて、本当にありがたく感じないといけないなと思いました。今回の映画『ヤクザと家族 The Family』では、大きな心でいつでも受け入れる母親役を演じています。そういう母親って男性の理想なんでしょうね。

 

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