年齢を重ねるごとに、その凛として美しい存在感を増す彼女。最新のドラマで演じるのは、スバッとした物言いが気持ちいい“オバハン”ですが、私生活には意外なギャップがあるようでーー。
「ここ数年、CMやドラマでコメディタッチのものをやらせていただく機会が増えていますが、私自身は、コメディととらえて演じていないんです。ただ自分の役に徹し、大真面目に、楽しんでやっていることが結果、ご覧になる人たちにはおもしろく見えているのかしら? という感じで(笑)」
こう語るのは、4月10日スタートの新ドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海テレビ・フジテレビ系にて土曜23時40分~)で主演を務める大地真央さん(64)。昨年末からクランクインしているが、“口を開けば自慢話か毒舌か”という主人公を演じるため、膨大な量のセリフと格闘中だという。
「セリフを覚えながら、いかに睡眠時間を確保するかが大きな課題。難しいからこそやりがいがあるのだと、自分自身、思おうとしているフシがあります(笑)。ハルコさんはよく食べ、また、キャリアウーマンという点では自分に重なるところもありますが、私は彼女のように終始しゃべりっぱなしではないですね」
プライベートでは、建築家で12歳年下のご主人と、4匹の愛猫との暮らしを楽しむ大地さん。64歳という年齢を超越した若々しさと美貌の秘けつを聞くと、「なるべくお水をいっぱい飲んで、汗をかくくらいの適度な運動をして、あとは体にいいものを食べて、良質な睡眠を目指す。そういう基本的なことがいちばん大事かなあと思っています」
朝食は、季節の野菜やフルーツ、豆乳などを入れたスムージーが定番メニューだが、最近では“目玉焼きアート”も日課のひとつに。
「時間がないなかで、パパパッと描いて、写真を撮って、インスタグラムにアップしています。卵が2個のときも1個のときもあって、何かに見えるからそう描くこともあれば、とりあえず描いてみて、“これは何に見えるかな?”というときと……って、やだ! 私、どうして目玉焼きのことを真剣に話しているんでしょう(笑)」
ふだん仕事で見せる完璧な姿からは一変、“ふと思ったことを口にしてしまう”など、意外におちゃめな素顔にほっこりさせられる。
「夫には『え、今そういう話をするの?』と、しょっちゅう笑われます。先日は、私が猫に話しかけていたら、その内容がおもしろかったらしくて。4匹のうち、下から2番目のコがちょっと病気で、ほかの3匹とは違う食事をさせているんですが、その3匹が病気のコと同じものを食べたがるんです。そこで私が『病気だから』と話したら、『猫にそんなこと言ってもわからないよ』って、夫が。でも、猫だって言えば理解するんですよ。ちゃんとお座りをして、食事の様子を見守るようになるので。言葉って大事だなあ、猫にも心は通じるんだなあって思います」
また、このコロナ禍で自宅のテラスにミニ菜園を作ったが、そこでも珍エピソードが。
「レモンやアーモンド、ピーマンなどを植えてみました。ところが、レモンがグレープフルーツくらいに大きくなったり、ピーマンだと言われて買ったのに万願寺唐辛子? みたいなものができたり。いろいろとおもしろい現象が起こってしまって(笑)」
そんな自然体な一面のある大地さんだが、年齢を重ねることへの考え方もじつに柔軟だ。
「主人は、私が60歳になったときから、『毎年1歳ずつ引いていこう。来年は59歳、再来年は58歳』などと言ってくれていますが、私は『ハイ、ハイ』という感じ(笑)。私自身は、年齢を重ねたことによって、以前より『ま、いっか』と考えるようになったかもしれないですね。手抜きということではなく、日々のさまざまな出来事を楽観的にとらえるようになったというか。今の世の中、何が起こるかわからないですし、だったら、ポジティブなほうがいい、という考え方になった気がします」
「女性自身」2021年2月2日号 掲載