「LINEを始めたんです。昨年末に、加トちゃんが急にiPhone12を買ってきて。それまでずっとガラケーだったんですが、親友の井上順さんがiPhoneに変えたと聞いたら、『僕も挑戦しようかな』と言いだして。もう次の日には買いに行っていました(笑)」
そう話すのは、加藤茶さん(78)との“45歳年の差婚”をしてから10年目を迎えた、妻でタレントの綾菜さん(32)。自身のインスタグラムで、茶さんとのほほ笑ましい日常を発信しているほか、昨年5月からスタートしたYouTubeチャンネル「加藤家の日常」も人気で、登録者数は6万人を突破した。
「さっそく教えたのがLINEの使い方。買ったその日に順さんがLINEしてくださって。そこから毎朝、『おはよー、今日も1日元気で過ごしてね!』なんてメッセージをくださるので、その返信をするのが加トちゃんの朝の日課になっています。おかげで今は、めちゃくちゃ使いこなせていますよ」
そんな茶さんには、スタンプへのこだわりがあるという。
「LINEで、なんの気なくスタンプを送るじゃないですか。そしたら毎回必ず、スタンプの意味を聞いてくるんです。私が加トちゃんに叱られたあとに、ハートのキャラクターが泣いているスタンプを送ったら、『これ、謝ってるの? お尻のおばけが泣いているかと思った』と(笑)。ほかにも、私が『何時に帰りますか? 早く会いたいです』とLINEしたあとに、壁をドンドンたたいて号泣しているウサギのスタンプを送ったときは、『綾ちゃん、なぜ号泣するんですか? どういう意味ですか?』と、しつこい(笑)。でも、加トちゃんに言われて、確かにこのスタンプは合わないな、と反省しました。その後はいちいち説明が大変なので、もうスタンプは使っていません。唯一使っているのは、加トちゃんの公式スタンプだけ」
最近は、広島で独居している綾菜さんの祖母と3人でビデオ通話をすることもあるという。
「うちの祖母は加トちゃんとほぼ同い年で、気も合うんです。祖母は近所の70オーバーの女友達と喫茶店で話すのが楽しみだったのに、コロナ禍でそれもできない。話す機会が減って、『物忘れが多くなった。言葉もスムーズに出てこない』というので、祖母にもLINEを覚えてもらったんです。最近は、ほぼ毎日LINE電話をするんですが、なるべく祖母にたくさん話してもらうようにして。『今日は何したの?』と聞くと、『じつはこんなことがあってね〜』と、たまっていたことを吐き出すように私たちに話してくれます。メッセージを打つために指先を動かすのも頭の活性化になるし、本当にLINEを始めてよかった」
つねに相手の健康を気づかう綾菜さんだが、ここ1年で介護職員初任者研修(ヘルパー2級)、介護福祉士実務者研修(ヘルパー1級)に次々と合格。さらに、介護職アドバイザーや生活習慣病予防アドバイザーなどの資格も取得した。
「昨年、加トちゃんが77歳になるときに、介護の勉強をしようと決意したんです。加トちゃんができるだけ長く健康で、大好きな舞台に立てるように。知識を備えていれば、仮に病気やケガをしたときも、慌てずにサポートできるから」
昨年は、コロナ禍でほとんど舞台に立てなかった茶さん。10月に約1年ぶりに舞台に立った姿を見た綾菜さんは、「なんて生き生きして、生命力にあふれているんだろう!」と、ほれ直したという。
「笑顔がキラキラして。加トちゃんの『死ぬまで舞台に立ちたい』という夢をかなえてあげたいと、より強く思うようになりました」
2011年に結婚後、茶さんには病気が絶えなかった。’14年に患ったパーキンソン症候群は克服したものの、その後に大量吐血して生死の境をさまよったことも。
「そのとき、何がなんでも死なせない、私が支えていこう! と。結婚して10年のなかで、加トちゃんはこの2年間くらいがいちばん健康的で、体調も整っています。LINEを始めたことで、新婚当時より愛情も深まっているかも。加トちゃんが100歳になっても、私は55歳。まだまだ新しいツールをマスターできると思うので、この先も加トちゃんと一緒に覚えて、ずっと仲よく、密に、元気で過ごしていきたいと思っています」
「女性自身」2021年4月6日号 掲載