■「キャストの皆さんで買い物に…」
――この作品を制作するなかで、大変だったシーンや苦労したことは?
「心の声が聞こえるシーンは、この作品ならではの大変な所だったと思います。テストでは心の声を実際に声に出して役者同士のタイミング、カメラのタイミングを擦り合わせますが、本番は無言。みんな想像し合いながら撮影していくしかありません。それでも、役者同士のリアクションや表情の変化のタイミングがズレたことはほぼなくて、いつも皆さんすごいなと思っていました」
――撮影現場での隠れたエピソードがあれば、お教えください。
「撮影の休憩中、たまにスタッフへの差し入れを赤楚さんと町田さんが買ってきてくれたり、それ以外にもよくキャストの皆さんで、一緒に買い物に行ったりしていました。みんなとても仲が良くて、現場を和やかに明るく盛り上げてくださって感謝しています」
――SNSを通じて、国内のみならず世界中から反響がありました。どのような声が多く、嬉しかった声はどのようなことでしたか?
「『赤楚さんがかわいい!』『町田さんがかっこいい』という声が圧倒的に多かったのですが、それと同じくらい放送が終わると『来週まで待てない!』『一週間が一年に感じる』など、次回を楽しみにしてくださる声が多かったですね。誰かの一日の楽しみになったらいいなと思って作っていたので、とても嬉しかったです。
――全世界で「チェリまほ」がブレイクしたのはなぜだと思いますか。
「なぜだろうとは私もずっと思っているのですが……。豊田先生の原作とキャストの皆さんの圧倒的な魅力、スタッフの皆さんのおかげ。それと、世界各国共通して人と物理的に距離を取り、人の温度への飢餓感みたいなものがある今、“触れる”“心の声が聞こえる”という距離のない温度のある交わりが響く所があったのかなと思います」
――安達と黒沢が付き合い始めた後のストーリーが原作ではまだ続いています。続編の可能性は?
「続編について聞いていただけるような作品になったこと自体、うれしいことです。どうなるかはわかりませんが、また安達と黒沢、柘植と湊、豊川のみんなに会えたらいいなと思っています」
【PROFILE】
’90年9月22日、群馬県生まれ。テレビ東京制作局ドラマ室所属。APとしてさまざまな作品に参加し、今作が初プロデュースとなる。